2004年10月29日

■ジャズと古本の日

阿佐ヶ谷ジャズストリート
阿佐ヶ谷駅前ロータリーにて

本日より神田神保町にて“神田古本まつり”スタート。今年はくれぐれも買いすぎないよう自分に言い聞かせてから出掛ける。いやホントに。

阿佐ヶ谷駅から中央線に乗って御茶ノ水経由で神保町へ。阿佐ヶ谷駅周辺では、こちらも本日より“阿佐ヶ谷ジャズストリート2004”ということで、駅前で演奏しているバンドあり。買い物途中のおばあちゃんや、商店のおじさんに紛れてしばらくジャズを聞く。(なんというグループかは最後まで不明。)この他にも阿佐ヶ谷の街角や特設会場で、有料・無料のジャズのライブが多数。

さて古本まつりでは、平日昼とはいえなかなかの人出で、古本に静かな闘志をたたえるおじさま方に紛れつつ、棚にスバヤク目を走らせる。贔屓の著者の本、知らない著者の本でも、なにかグッと来るタイトルや装幀などがあれば手に取ってみる。フリーライターの岡崎武志さんが、古本屋での心得として「本棚に並んだ古い本と自分との対話を楽しむ。それが醍醐味だ。」と書かれていたことがあって、言い得て妙。しかもこの対話は古本屋がある限り続けられ、飽きることがない。古本まつりに来ているおじさま達がいい例だろう。
……棚と対話すること約2時間。また後日(11月3日まで開催)来てみればいいや、ということで8冊のみ購入。始めに決めていた訳ではないけれど、本日の購入本のテーマは「ことば」に関するものが多かった。急いで阿佐ヶ谷に戻って元我堂の店番。今日は以前お世話になったダンク出版のHさんがいらしてくださったり、水曜と月曜の店長が来て話をしていったりして心楽しい晩となった。

神田古本まつり
さすがは神保町、おじさま度高し
posted by 店主かねこ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

2004年10月27日

■ただ今撮影中!

hanten

ずいぶんと間延びしてしまって、「もう新しいお品書きはないんですか!?」と叱咤激励を受けつつ、新着お品書きを1日も早くご紹介すべく、旅猫から届く品々を撮影中。

今日は福岡から届いた新柄の「綿入れはんてん」を、元我堂の水曜店長ナンダさんにモデルになってもらって撮影してきた。彼女は黒のタートルセーターの上に、赤系の縞の着物をサラリと合わせて来てくれて、普段着として着物を着慣れている人ならではの新鮮な着こなしに感激。地味な色の半纏がとてもよく映えてかわいいのだった。(ナンダさん、ありがとう!)

ということで近日の更新を乞うご期待……がんばります。
posted by 店主かねこ at 04:25| Comment(6) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

■草野心平。

maru

元我堂にあった『草野心平詩集』をパラパラと読んでみた。すごく気になったのは、詩の一節ごとに読点「、」ではなくすべて句点「。」が打たれていること。これはモーニング娘。に繋がる原点なのか?(なわけないか。)

心平は幼い頃からわんぱく者で、本を食いちぎり(!)鉛筆をかじり、誰かれとなく人に噛みつく“野生児”の激しさをもった、ひどくの癇の強い子供だったという。蛙の詩だけを集めた4冊の詩集を出していることから「蛙の詩人」とも言われる。

その詩、である。中原というのは中原中也のことで、中也が結核で死んだ後に追悼の意を込めてこの詩を書いたそうだが、「地球は冬で寒くて暗い。」この簡潔さ。寂しさを表現するのに思い出をああだこうだと並べるよりも非常に鮮明だ。なんかすごい人だ!と、ちょっと感動。

2人の交流はわずか数年だったにもかかわらず、心平にとって中也は強い印象を残したようだ。心平と中也とで太宰治などと取っ組み合いの喧嘩をしたエピソードも読んだことがあったし、この頃の熱い文学青年たちをできることならどこか柱の陰からこっそり覗いてみたいものである。
posted by 店主かねこ at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | □古本のこと | 更新情報をチェックする

2004年10月24日

■地震・雷・火事・親父

台風に地震、テレビの映像に愕然とする。週末はNHKばかり見ていた。今までに旅猫雑貨店で買い物してくださった方の控えをめくると、新潟にお住まいのお客さまが思いのほかたくさんいらっしゃる。台風で被災した地域の方も。みなさんご無事でいることを願うばかりです。

地震の時、私は家族9人で外で食事をしていた。「いつもよりちょっと大きいから震度4かな?」などと言いながら、家で留守番の猫のことを考えていた。みんなでソファの下に隠れていればいいなと、のん気なもの。地震などの天災に遭って家にいられなくなった時、家族はどうするのか、電気もガスも水道も絶たれた時、どうやって生きていくのか。そういうことをちゃんと家族で話合っておくことが必要。地震・雷・火事・親父、大雨、台風、温暖化。昔より怖いものが増えましたね。
posted by 店主かねこ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

2004年10月22日

■本日の一冊

金曜日は阿佐ヶ谷の古本屋・元我堂の店番の日。いつもより早めに発送を済ませて、自転車で出動。約15分の道のり。疲れてボーッとペダルを漕いでいる時もあれば、あれこれ考え事をしながら走っている時もあるのだが、よくママチャリ(本当に「ママ」が乗っている)に追い越されてしまう。
私の自転車は21段変速のマウンテンバイクだけれど、タイヤが太いのでアスファルトとの摩擦が大きく、漕ぐのに結構力がいる。一方近ごろのママチャリというのは、軽い力で早く走ることに特化し、進化している自転車なので本当にかなわない。私は子供の頃から自転車が大好きで、近所の川を源流まで遡る旅とか、東京から岡山県倉敷市の友達の家まで、2週間かけて自転車で旅したこともあるのだけど。でも、ママチャリには負ける……。(さすがに折りたたみ自転車に抜かれた時は抜き返します。笑)

……元我堂の話のはずが、自転車のことばかり書いてしまった。閑話休題。元我堂では、毎日日替わりの店長が各自で「本日の一冊」として、おすすめ本を打ち出している。かれこれ2ヶ月ぐらい続けているのだが、今日は私の「本日の一冊」が売れた!その本は、

 ◎気まぐれ美術館/洲之内徹
  (新潮文庫、1996年、初版)800円

だったのだが、たまたまふらりと立ち寄られた若い画家の男性に目を留めていただき、「本日の一冊って、今日しか出さないってことですか?あなたのお勧めなの?じゃ、これもらおう。」と言って買ってくださった。“本との出会い”を演出できることが、本屋さんの醍醐味なんだなぁ!と実感。そんな訳で、今日もせっせと品出した。

 ◎なんといったって猫/ドリス・レッシング
  (晶文社、1987年、新装版初版)800円

 ◎本所深川散歩 神田界隈/司馬遼太郎
  (朝日新聞社、1992年、2刷)600円

 ◎名作文学に見る「家」/小幡陽次郎、横島誠司(図)
  (朝日新聞社、1992年、初版)1800円

 ◎坪田譲治作品の背景/坪田理基男
  (理論社、1984年、初版)1500円

などなど。『名作文学に見る「家」』は、夏目漱石の三四郎の家、江戸川乱歩の怪人二十面相の家、カフカ『変身』のグレゴールの家など、国内海外の名作文学の文面から主人公の家の間取り図を起こしてしまうという面白い本。文学好きの方にも、間取り図好きの方にも楽しめる一冊だ。

平台の特集では、店主やすプロデュース『部屋と家』として、インテリア誌を中心に展示している。私も仕事部屋のインテリアをなんとかしたいけど、なにせ次々やってくる段ボールの山。。。

interior

元我堂の地図は >>こちら
posted by 店主かねこ at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | □古本のこと | 更新情報をチェックする

2004年10月20日

■再入荷のお知らせ

brush
ブラシ愛用者のブチ猫さん

という訳で、19日「ペットつや出しブラシ(小)」1,800円が再入荷しました。

これまでにこのブラシをご購入いただいたお客さまにはお知らせしているのですが、このブラシの木の部分には怪しいネコシールがついています。なぜ怪しいのかと言うと、先代のブラシ職人さんが描いた絵だからです。先代はネコが大好きだったそうで、それでネコのためにブラシを作ったのです。なんだか「風情ある」と言ってもいいネコの顔のシールは、このブラシの大きな魅力でもあるのでした。今まで内緒にしていてごめんなさい。(あ、犬、フェレットにもお勧めです。念のため。)

nekoseal
この風情
posted by 店主かねこ at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | □新着/再入荷のお知らせ | 更新情報をチェックする

2004年10月19日

■地下室の古書展

underground

午後、神保町のブラシ職人さんにお願いしていた「ペットつや出しブラシ」を受け取りに行き、その後最終日ギリギリで「アンダーグラウンドブックカフェ〜地下室の古書展〜」へ。高くてとても買えないけれど、手に取って見られるだけでも貴重な体験(大げさ?)の古書が目白押し。

以前、武井武雄の『本とその周辺』(中公文庫、1975年)を読んで、さまざまな印刷技法を試したという豆本に興味深々だったのだが、その実物が展示されていて触るのも恐れ多い(しっかり触りましたけどね)という風で、古書店の目録でチェックしていた本は、ほう、こういう装幀だったのか、と価格と共にしっかり脳裏に焼き付けてきた。
他にも竹久夢二や中原淳一など欲しいなーと思う本はたくさんあったのだけど、なにせ(もう!水くさい…)というお値段。かろうじて、

『民芸の旅 東日本編』(近藤京嗣、芸艸堂、1978 年)
『板極道』(棟方志功、中公文庫、S52年)
『食いしん坊』(小島政二郎、文芸春秋新社、S30年)
『一人書房』(成瀬露子、成瀬書房、1987年)

など購入。限定特装本だけの出版社、成瀬書房の顛末を経営者の妻(兼事務員)が書いた『一人書房』が面白く、少しだけ読むはずが集中して深夜になってしまう。仕事せねば!
posted by 店主かねこ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

2004年10月18日

■御会式

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東京・豊島区雑司が谷にある鬼子母神のお祭り「御会式」(おえしき)に参加。各自が太鼓を叩き、次第に陶酔していくという不思議な、かつ熱い夜祭りなのです。祭りの格好をして柄付き太鼓を持ってくれば、幼児から老人まで誰でも参加できる懐の深さがまた素晴らしい。

毎年、曜日に関係なく10月16,17,18日の3日間行われ、最終日の18日は池袋西武前から鬼子母神まで、40以上の町会が行列を作って笛・太鼓を打ち鳴らしながら行進します。御会式についてはこちらのページで詳しく知ることができます。

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雑司が谷名物“すすきみみずく”は江戸時代からある郷土玩具
posted by 店主かねこ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

2004年10月15日

■金曜日は元我堂

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 司馬遼太郎『坂の上の雲』全6冊

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 今江祥智の本

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 日本詩人全集


■お知らせ…………………………………

曜日ごとに日替わりで6人が店番を務める古本屋・元我堂。各曜日の店長が、元我堂を熱く語るブログをそれぞれに始めました。左側メニューのブログリンクからどうぞ。

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夕方から阿佐ヶ谷・元我堂で店番。“バックヤード”と呼んでいる品出し待機中の本棚には、ちょっと魅力的な全集とか揃い物が眠っている。司馬遼太郎『坂の上の雲』はもう何年も前から必読の書(自分の中で、だけど)になっているし、ごく一部しか読んでいなかった今江祥智は、実はこんなに膨大な量の著作があるのかとびっくり。片っ端から読んでみたい。

『日本詩人全集』、これはもしもがんばって買ったとしても、老後の楽しみとしてとっておきたい。だいたい今、詩集をじっくり読み込んでいく時間も心の余裕もないことだし。

なーんて、お弁当を食べながら本棚を眺めては、勝手な事を考えていたりするのだ。
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本日の一冊(店長おすすめ):

 ◎いっぴきの虫/高峰秀子
  (潮出版社 S58年 7刷) 650円
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元我堂の地図は >>こちら
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2004年10月13日

■盆栽の紅葉

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左:ハゼ、右:唐楓

すでに3年近く育てている盆栽が、今年も紅葉を迎えた。ハゼは高さ12,3cmほど、落葉すると爪楊枝のような細い枝だけが残って少しかわいそうな姿になる。唐楓は高さ20cmほど。こちらは何度か剪定をしているのだが、どうも格好良くならなくて上の方がこんもりしてしまう。

冬の間、まるで枯れたようになってしまうけれど、春先にちゃんと若葉が出てきた時の喜びはひとしお。寒くなっても水やりはがんばろう。
posted by 店主かねこ at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする