金物屋のお内儀さんに、近所にあるおいしい蕎麦屋へ連れていってもらった。「蕎麦 ろ」という変わった名前の店で、竹垣に囲まれた庭のある素敵な佇まい。街道から外れ、田んぼの続くのどかな場所にある。
蕎麦は白くて細い「おせいろ」と、太くて黒っぽい「深山(みやま)」の2種類があり、それぞれ500円なので1人で2つ食べてもよい。「おせいろ」と、お内儀さんおすすめの「カニサラダ」、「天ぷら盛り合わせ」をいただく。「カニサラダ」がおすすめと聞いて、どんなのが来るんだろうと興味津々でいたら想像と全然違っていて、小松菜のお浸しを細かく切ったものに、カニの身、細かく切った柿、かぶのスライスが混ぜてあり、ゴマ入りのマヨネーズソースがたっぷりかかっている。季節によって柿の代わりにリンゴが入っていたり、桃が入っていたりするそう。青菜のお浸しはごま和えにするか、かつお節と醤油をかけて食べるものと思っていたので、これは早速料理のレパートリーに加えることにする。
それからこの店で使われている陶器はすべて店で制作しているもので、入り口横の棚で陶器だけを販売もしている。もちろん蕎麦も手打ちでコシがあり、つるつるとおいしかった。