2005年08月31日

■一門会

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久しぶりの立川流一門会、国立劇場大劇場にて。最初に立川談笑『金明竹』。以前はフジテレビ朝番組“特ダネ”にレポーターとして出ていたけど、今はどうなんだろう。前に一門会とか、よその高座で聞いたときもうまいなぁという感想だったけれど、今回も津軽弁の伝言のところなどは大いに笑い、やはりうまいと思った。今年の秋に真打ち昇進だそうで、おめでとうございます。

次が志らく師匠。今日は何を、とワクワク期待していたら、前回私が見に行った時の談志師匠と同じ『死神』。でも志らくなりのアレンジがあり、死神を退散させるまじないが「アジャラカモクレン、八代英太さんあなたはなにをやってるんですか」だったり。ま、落語会だから放送コードとか関係なくいろいろ言うわけです。立川流はその辺のブラック感が面白かったりするわけで。家元曰く、「俺のまくらは聞いてるほうも罪になる」ト。

次がゲストで笑福亭鶴瓶。初めて高座を聞く。数年前から古典落語に取り組んでいると聞いていて、6人会(鶴瓶、志の輔、小朝、昇太、こぶ平改め正蔵、花禄の6人)へ行ってみたいなーと思っていたので、これはうれしかった。演目は『青木先生』。ありゃ、古典じゃないよ、とちょっとがっかり。しかも緊張気味?テレビに出ている時の方がリラックスしているように感じた。ただもう鶴瓶という存在自体が面白オーラを放っていて、どの演目でも鶴瓶は鶴瓶なのかもしれない。高校時代の担任・青木先生は怒って興奮すると歯から空気が漏れて「ピー!」っと音が出る。その「青木のピー」を聞きたいがために駿河少年(鶴瓶の本名)が数々のいたずらを考えるというもの。こちらは見ず知らずなのに、青木先生のものまねが傑作であった。関西では、「教科書179ページをまくりなさい」と言のですか。それは青木先生だけですか。

仲入り後、談春の『文違い』。これは確か2度目。今や向かうところ敵なし、といった感の談春、かっこよすぎる。なにか時代劇で色気のある鳶頭の役でもやってほしいぐらいである。この人に「てめぇバカヤロウ!」と平手打ちされる長屋のおかみ役に私はなりたい。あ、いや、殴られるのは嫌だから、怒鳴られるぐらいでいいか。そんな余計なことを考えつつ、今日も落語を堪能した。談春未見の方は、毎月築地でやっている独演会にぜひ一度足をお運びくださいな。

そして家元である。いきなり「キムジョンイルマンセー!」で始まったので、今日は調子がいい模様。でもまた一回り小さくなった気もする。本当の病状はどうなのか、心配。演目は『金玉医者』。ずっとCDで聞いていたのを、生で聞けるのはうれしい。談志は動きも面白いから。比較的声もちゃんと出ていた。客をイリュージョンの世界に連れて行っては、いきなり引き戻す、といった風に、演者としての自分を冷静に見ている素の談志が、時々顔を覗かせる。それは熱演に対する照れ隠しのようでもある。そういうところを目撃できると無性にうれしい。もうすぐ死ぬ予定なんて言わずに、まだまだがんばってほしい。ほんと。
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2005年08月26日

■トマ君再び

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店番猫(としてスカウトしたい)
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2005年08月25日

■読了

鴨居羊子『のら猫トラトラ』(人文書院/S53年)
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2005年08月22日

■ここが自慢です

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カール猫
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2005年08月19日

■ただ今の特集

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元我堂で2週間に1度入れ替わる平台の特集は、18日より木曜店長しんごさんによる「短編小説を読む」です。元書店員、今せどらーのしんごさんのセレクトはなるほどステキなラインナップ。短編小説好きな私は、店番中に立ち読みしてしまいました。(←いつものことね)

私の一番好きな短編小説は、といえば、レイ・ブラッドベリ『10月はたそがれの国』でしょうかねぇ……。隠れ阿刀田高ファンでもあるので、ちょいとぞぞっとしたい気分の時は阿刀田高『恐怖同盟』、はたまた連作短編小説・黒井千次『日の砦』なんていうのもいいかもしれません。

お好みの本がございますかどうか、ぜひ阿佐ヶ谷・元我堂へお立ち寄りくださいませ。

古本 元我堂(がんがどう):
〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷北3-27-11
TEL 03-3223-2028

営業時間 毎日午後5時〜11時(金曜のみ深夜1時まで)
     年中無休(都合により臨時休業することがあります)
地図は >> こちら
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2005年08月18日

■杉浦日向子師匠を偲び

7月22日、江戸風俗研究家の杉浦日向子さんが逝去された。

NHK「お江戸でござる」に出演されている時はかかさず見ていたが、降板後はまた悠々自適な隠居生活を楽しんでいるのだろうなーと思っていたのに、本当に残念なことである。

杉浦日向子とソ連・著『ソバ屋で憩う』は本棚のいつも手に取れる場所に置き、うまいソバが食べたくなった時にぱらぱらとページをめくる一冊である。“ソ連”というのは旧ソビエト連邦のことではなく、“ソバ好き連”の略。

この本でも紹介されているが、阿佐ヶ谷南から北へ練馬区中村橋まで延びる中杉通り沿いには、数件のうまいソバ屋がある。小腹が減った夏の午後3時、おやつにうまいもりソバが食べたい。唐突にそう思ったのである。ところが行く店がことごとく夏休み。少し足を延ばして、環七沿いの<田中屋明月庵>へ。日向子師匠も足を運んだ店である。

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せいろ蕎麦1枚630円ナリ。香りのいい固めの蕎麦を、濃い江戸汁につけてつるつるっとすすり込む。いくらでも食べられそうなところを、この1枚でよしておく。腹一杯食べるなんて野暮だね、と粋がりつつ。

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玉子焼きには目がない。特にソバ屋の玉子焼きには。出汁巻きの焼き立て、湯気が出てる。固くなりすぎず、半熟でもない。ほんのり甘みがある。本当は独り占めしたいのだが、1つしか頼まなかったので同行者と半分ずつ、大人の配慮。次ぎは1人1つずつ頼もう。きっと。
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2005年08月17日

■隠れていたけど

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見返り猫
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2005年08月16日

■完全無視されました

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目つき悪し猫
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2005年08月15日

■不思議な時間

谷中・三崎坂上にある龍谷寺へお墓参りに行った。

いつもはJR山手線日暮里駅から歩いていくのだが、今日は一駅前の西日暮里駅で電車を降りた。線路沿いの急坂を登って諏訪神社へ。

ここへは子ども時代、保育園のお散歩でよく連れてきてもらった。広い境内の端まで行くと、諏訪台の崖の上から荒川方面を望むことができる。眼下にはJR山手線、京浜東北線、常磐線、東北新幹線、京成電鉄の線路など10あまりの線路が並び、電車好きな子どもには絶好の場所である。

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この諏訪神社境内から、線路際に降りていく階段がある。今は高架線路の下を通るトンネルに続いているが、私が子どもの頃はまだ線路は高架ではなかったように思う。

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保育園のお散歩のある日、みんなでこの階段を降りていった。階段の一番下には小さな門扉があり、先生が扉を押すと鍵はかかっておらず、「あら、出られるわ、行ってみようか」などと言って順々に全員が線路の上に出た。

線路を歩くのは初めてだったので、なんだかとっても楽しくて、みんなできゃあきゃあ言いながら西日暮里駅の方へ歩いていった。途中、線路際(諏訪神社と線路を挟んで反対側)にある木造家屋の庭先で洗濯物を干しているおばさんがいて、先生が「ここは電車通るんですか?」と聞くと、「たまにしか通らないですよ。」とそのおばさんは答えた。

諏訪神社から西日暮里駅までは、おそらく100メートルも離れていないので、実際に線路を歩いたのは短い間だったのだろう。歩いていったのは山手線の線路なのか、常磐線の線路なのかもわからない。季節も覚えていないが、ポカポカとあったかくて、鳥の声が聞こえていた。

仲のいい子と手をつないで気分よく線路を歩いていると、突然前方から「走れー!はやくはやく!」とおじさんの声がした。よく見ると駅員さんが大声を出して手招きをし、みんなを線路の外に出している。私もあわてて走り出した。駅員さんは真っ赤な怖い顔をして、「はやくしなさい」と怒っている。こづかれたりしたら怖いので、友だちと一緒に体をかがめて駅前の道路(道灌山下通り)に出た。駅の入り口あたりで他の駅員さんが先生に、「ダメじゃないですか!どこの幼稚園?」と怒っており、先生はペコリペコリと頭を下げて謝っていた。

私の記憶はそこまでしかない。大人になってからこの話を母にしたら、「そんなことはあり得ない、夢でも見たんだろう」と言う。しかし本当にあったことで夢ではないのである。しかし自分でも夢のような話だと思う。なぜ、先生は門を越え、電車が来るかも知れない線路を多数の保育園児と歩いたのだろうか?先生はあのあと駅員さんにたっぷり油を絞られたのだろうか?結構な事件だと思うのに親に報告はなかったのだろうか?

諏訪神社に来ると、いつもその不思議な時間のことを考える。
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■見晴らし良し

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灯籠猫
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