今日は巣鴨駅に戻らず、とげぬき地蔵通りを抜けて庚申塚から都電に乗る計画のため、とばっくちにある伊勢屋さんで早くもお土産の塩大福を買う。1個120円ナリ。私は季節限定というごま大福も買ってみる。
並びにある漬け物屋では、あらゆる浅漬け、漬け物を試食。マイ爪楊枝握りしめ、玉ねぎみそ/しょうゆ漬け、セロリ、山芋のしそ漬け、茄子のわさび漬け、ごぼう漬け、だいこんのべったら漬け、などなど、ひと工夫された漬け物ばかりで口の中が思いがけない味で満たされる。茄子のわさび漬けを1つ買う。630円ナリ。
お年寄り向けのアクセサリーや時計を売る店、健康食品の店などを冷やかしながら、とげぬき地蔵へ。観音さまを洗うところはディズニーランド並みに長蛇の列ができておりパスする。お線香の煙を浴びる大きな香炉に行くと、元気なじいさんが我々に向けて「ホレ!ホレッ!ホーレ!」と大きく手を振って煙を送ってよこす。若い女子があまりいないところなので、じいさん興奮したのか、そのあと石ころ嬢の後ろに回ってきて「イヤー、イイネェイイネェ」と肩をたたき、ご機嫌の様子で去っていった。
さらに商店街を歩く。路地を少し入ったところにある寂れた文房具店へ。ここには“お宝箱”という段ボール箱があり、その箱の中のものはどれでも10円である。中身は30年前ぐらいのデッドストックの下敷きやクリップ、荷札、紙挟みなど雑多なもの。他にも棚の奥やガラスケースの中に、今では見かけないような古い事務用品があったりして面白い店。
私は糸が漉き込まれた油紙と、麻紐、送り状の荷札2枚がパックされた小包セットを買った。100円と書いてあったが、おばさんに手渡すと「こんなのでいいのぉー、50円でいいわよー」とおまけしていただく。荷札の郵便番号欄はもちろん5ケタ、古本の発送に使ってみたい。
石ころ嬢はやはり1970年代ぐらいのものと思われるレトロなイラストが入ったお年玉袋を3つ、1つ100円と書かれていたが、これもおばさんが「3つで100円でいいわよー」とおまけしてくれていた。
お腹が減ったので、適当な食堂に入ってみる。店内はじいさんばあさんでほぼ満席、かろうじて空いていたテーブル席に案内される。4人掛けに相席で、向いにはおばあさんが2人、すでに定食を食べているところ。私の前の方は海老フライ定食、石ころの前の方はまぐろ刺身定食。2人のおばあさんはそれぞれ1人で来ている人らしく、黙々と食べている。
石ころ嬢が店のおばさんにオムライスを注文すると、「今はできない」と断られる。なぜできないのかは教えてくれなかったのでわからず。カレーライス(450円)に変更する。私は店先に“おすすめ”と書かれていたカツカレー(650円)を注文する。じゃがいもたっぷり、甘口ですごい量のカレーライスが出てきた。おかあさんの味。
向いのおばあさんが食べている海老フライの海老もすごく立派で、2本も食べきれるのかとチラチラ見てしまう。80歳ぐらいの小さな痩せたおばあさんだったが、しっかりと完食。常連なのだろうか、いつも海老フライと決めているのだろうか。
石ころ嬢が「お味噌汁のワカメがすごくおいしい」という。そう言われてみればそんな気もした。
激しくなってきた雨に負けず、服のマルジへ。靴下や下着を物色。安くて種類豊富なので、買いだめをする。巣鴨名物の赤パンツコーナーで、妊婦となったナンダさんに、赤い腹巻きと赤パンツ(赤パンツには“すがも”とひらがなで刺繍入り、だけどワコール製。いわゆるコラボ?)とうがらし成分入りつま先ソックスをお土産に買う。石ころも赤パンツ買った模様。巣鴨の必須アイテムなり。
都電の線路を越えて、本当はファイト餃子を食べようと思っていたが、カレーライスの量があまりにも多かったため、今日はよしておく。お持ち帰り用の餃子もあるが、ファイト餃子は焼き方が難しいのでまた次回ということで。
日も暮れてきて、都電に乗り、終点早稲田に向かう。雨だし寒いしで、そのまま東西線早稲田駅まで歩き、阿佐ヶ谷へと帰る。せっかくのお土産をすぐ渡してしまおう、と、そのままナンダ宅へ。ちょうどこのあの文庫が閉館した頃に着く。
お茶をいただきながら、今日の収穫品、赤パンツを見せ合ったりして1時間半ほどおしゃべり。今日でちょうどこのあの文庫は1周年とのこと。ナンダさんの出産、育児を機に、きっとまた新しい輪が広がることでしょう。2年目の活動に期待しております。
左はごま大福、右は塩豆大福、どちらもうまい