2006年10月14日

■カブトライダー

明大アカデミー「古書の世界」第2回目の講義。最初の15分ほどは岡崎さんが日本各地の古本屋を訪ねた時に撮影した、古本屋写真の紹介。古本屋らしいたたずまいの老舗、巨大倉庫のような新古本屋、大地震の時に居合わせた古本屋……などなど。アルバムを見ながら、古本屋の店頭というのはそれぞれみな違っていて味のあるものだと感心する。

今日のゲストは早稲田・古書現世の向井透史さん。イヨ!若旦那!と掛け声のひとつも掛けたくなったが、もちろんそんなことはできないです。向井さんが古本屋として働き始めた時の話から、バブル期の話、そして現在の話へ。

昔は市場に“地方荷”といって、地方の古本屋が東京に本を送って市場で売る、ということがよくあったが、今は地方でもインターネットで相場を掴んで自ら販売してしまうので、市場に出す必要がなくなった、市場で扱う本の量も、昔より大幅に減っている、とのこと。
また、昔の古本屋は丁稚制で人手があったので、朝8時ぐらいから開いていた。(今は10時半〜11時ぐらい。朝、市場に行って入札してから開店)夜も夜間の学生のために11時頃まで開いていたそう。

古書現世といえば、つい最近も深夜のケーブルテレビで再放送されていたテレビドラマ『気まぐれ天使』。山田吾一が店主で、2階に石立鉄男が下宿している古本屋として、昔の古書現世が映るのだ。向井さん曰く、石立鉄男は感じが悪く、一言もしゃべらなかったそうだ。私の同居人の家のすぐ近く(雑司が谷)で、やはり石立鉄男が水道屋という設定の『水もれ甲介』の撮影をしていた時も、鉄男は撮影現場に集まる子供達に「うるせぇ、あっちへ行け!」などと暴言を吐いていたらしく、同居人は(テレビで見るのと全然違う人だ…)とショックを受けたという。ちなみに『水もれ甲介』で使われていた水道屋は、3年ほど前に取り壊されて更地になっている。

最近、古本屋に来るお客さんが変わってきていて、女性が増え、横柄な人が減ったという。また、古本屋には時々変な人がやってきて、7〜8年前、スーツ姿で頭に鎧兜をかぶった人が来店。帰りにその兜を店に忘れていき、向井さんが兜を持って追いかけた、というエピソードが可笑しくて、教室で笑いをこらえすぎて少し泣いた。

最後に、早稲田古書店街の現状として、毎月のBIGBOX古書市はとてもよく売れる催事で、ここにいい本を持ってきてしまうので店売りがどうしても弱くなってしまう。BIGBOXだけで終わってしまって早稲田まで人が流れてこない。どうやって早稲田まで来
てもらうかが今後の課題だという。

講義のあと、岡崎さん、向井さん、生徒有志で明大の学食へ。土曜日なのにとても混んでいて、席がばらばらになってしまい、お話できず。

その後、一旦中野の自宅に車を取りに行き、雑司が谷の事務所へ。昨日まで準備していた商品10箱ほどを積み込んで、6時に再び神保町へ。いもやでとんかつ定食をかき込み、7時から東京古書会館にてアンダーグラウンドブックカフェの搬入作業。今回はハタナカさんに搬入の応援に来てもらった。その場勝負で展示していき、1時間ほどで完了。

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“小粋なブックカバー”新作も多数ございます

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好評“手拭い本”は箱付きになりました。「日本のこと秋編」「お米のこと」「小豆のこと」が新たに加わりました

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本を包むのに便利な、ポリエステルちりめんの風呂敷。シワが気にならず、洗濯機でどんどん洗えます。ドロップバッグ包み、ショルダーバッグ包み、合わせ包み、お使い包み、いろいろな包み方のサンプルをご用意しました。古書展へ行くときの必須アイテムとして、みんなが風呂敷を持って歩くようになったら素敵ですよねぇ。

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今回の目玉(?)は昔ながらのトタンの湯たんぽ。UBC仕様の特製袋付きです。冬の読書のお供に。
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2006年10月12日

■急ぎたいのはやまやまなれど

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本を並べてみた

家族や友人知人が様子見にやってくるようになったので、尻に火がついたような気持ちになっているのだが、日々の発送やメール対応、それからUBCに一箱古本市の準備もあるしとアワアワで、なんて誰にするともない言い訳をつぶやく午後3時。どっちが優先かと問われれば、よそさまへの責任と期限のある仕事なわけで、やっぱり自分の店のことが後回しとなっていく。畳の一目ずつでも、日々是前進。

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大家さんから、「旅館に泊まりに来たみたいだねぇ」という感想をいただいた、照明+笊。

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和傘の美しさを知って以来、どうしても売りたかった蛇の目傘。

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ご来店の折には、どうぞお手に取ってみてくださいな。

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もちろん開いちゃってください。中村主水の内職でおなじみかと思いますが、実際に触ってみるとその美しさに感動すら覚えます。
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2006年10月11日

■めし処困らず

兄が、お向かいのいなり寿司屋さんの定食が旨い!と言うので初めて注文してみた。太巻き寿司といなり寿司しか食べたことがなかったのだが、店頭のメニューを見ると、カツ丼、カレーライス、やきそば、鮭弁当、ハンバーグ弁当、などなど……あらま、こんなにバリエーションがあったのか。どうりで昼になると、近くのサラリーマンや、ヤマト運輸のお兄さん達が店の前に並んでいるわけだ。

いっぱいあるメニューの中からどれか1つを選ぶのがものすごく苦手なので、「本日のおすすめ!」とかいうのがあると、おすすめされるままに注文してしまうのであるが、ここのメニューにはおすすめマークがないので一番上から食べてみることにする。注文をおか
みさんに伝えると、「はいよっ!じゃあできたらお店に持ってってあげるよ!お金はあとでいいから!」と威勢のいい返事。

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唐揚げ弁当、550円也。て、天ぷら付き……サラダてんこ盛り……唐揚げがかなりいける。衣がさっくり揚がっていて、鶏肉がふわっと柔らかい。お米ウマーい。量多いー。残さず平らげる。

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そして何と!おかみさんからお祝いのお花までいただいてしまった。五香蘭というお花。感激であります。

仕事場のまわりには、他にも天ぷら「結城」の天丼、鳥もも照り焼き弁当、「アカマルベーカリー」のパン(特にカツサンド)など、疲れた体にどりゃーと栄養補給してくれるおいしい食べ物が、すぐに手に入る環境。大家さんは毎日おやつの差し入れをしてくれるし、この仕事場に来てからというもの、本当に食べ物に困らないのである。自転車通勤していても一向に痩せないはずだ。
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2006年10月10日

■備忘録

7日(土)は明治大学リバティアカデミーで岡崎武志師匠の「古書の世界・7」の講座の第1回(全5回)だった。わ、わ、遅刻するぅ〜と明大のエレベーターに駆け込んだら、岡崎さんが乗っていて焦る。お店のことを気に掛けてくださっていて、それだけで心強く、がんばろうと思う。

教室に入ると、コウノ嬢はじめ、久保田くん、ナリタさんと、去年この講座で出会った仲間が揃っている。1年でいろんなところに行ったり、話し合ったり、かなり濃い〜お付き合いだ。講義は岡崎さんの自己紹介のあと、阿川弘之『なかよし特急』の話から。いつも特急に手を振っていた“まこちゃん”の物語。新刊『乗物絵本時代』も紹介され、今、いかに乗物絵本の人気があるか。

浅草の映画館の、映写技師のものと思われる個人のアルバム、これはいつかその映画館を特定してみたいとのこと。昭和26年の松島トモ子を主人公にした、トモ子ちゃんマンガ『アパートちゃん』。アパートちゃんカルタがあるらしい……。

明治40年刊『吾輩は鼠である』(影法師著・大学館刊)は、漱石の『吾輩は猫である』が明治39年に発行されたわずか1年後に、こんなパロディ本が出ているという。『吾輩は〜』のタイトルを模した本は100種類以上あるそう。

アンリー・ベロー著『肥満漢の嘆き』37才で100キロある男が、肥満を解消するために試行錯誤する、ダイエット本。これが1922年フランス文学賞ゴンクール賞をとっている。

まとめ:「買った古本についてちょっと調べると、芋づる式に当時の風俗・流行がわかってくる」

講義のあと、コウノ嬢、久保田くんと3人でさぼうるの山盛りナポリタンを平らげ、西秋書店へ。ちょうど西秋さんが表の均一棚に本をさしているところだったのでしばし立ち話。お邪魔いたしました。

8日(日)は、仕事場に初めて姉がやってきた。同居人と3人で、近くにある和カフェ「らばさん」へ。このカフェを経営する石田さんは、同居人の幼馴染みであるが、会うのは30年ぶりぐらいという。石田さんのおじいさんは、石田一松という演歌師で、『酋長の娘』を作った人。曲の歌い出しは

「♪私のラバさん 酋長の娘 色は黒いが 南洋じゃ美人」

「ラバさん=Loverさん=恋人」、これが店名の由来だそう。すみません、その曲を聴いたことがないのですが、もしも音源を入手できたら、旅猫雑貨店でもBGMとしてかけてみたいです。3種類あるランチはどれも1000円。お茶かコーヒーが付く。今度、雑司が谷2丁目でお店をしますと言ったらとても喜んでくださった。

9日(月)今度は父がやってきた。再びらばさんへ。昨日と同じ、鮭のづけ丼を食べる。美味。

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2006年10月09日

■壁ではありません

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目白通りと明治通りが交差する千登世橋のそばにあるのぞき坂。初めて見た時はあまりのことに笑ってしまった。車が往来できる坂としては、都内で2番目に急な坂だそうである。

雑司が谷と早稲田の間はどこをどう行っても急坂ばかりで、行きはよいよい帰りは怖い。本郷あたりにもめっぽう急な坂はあるけれど、ここはその長さと角度が格別。この坂の途中に住むのはいやだ。車で下ればジェットコースター気分。坂上から見ていると、まさに車が落下していくように感じる。冬に雪が積もったら、確実に上級者コースのスキーを楽しめる、かもしれない。
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2006年10月08日

■三春の小路

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JR目白駅から池袋方面に1分ほど線路沿いを歩いたところに、こじんまりとしたギャラリーMIHARUDO(三春堂)がある。

作家もののガラス器や陶器、織物などの現代工芸が置かれていて、オリジナルの衣類は池内紀さん御用達だとか。

私は店内の本棚がとても気に入っている。店主の三春さんが選んだ美術工芸関連の書籍・雑誌・絵本などがぎっしり。いつまでもいたくなるお店だ。

今は亡くなった店番ネコmayaは、MIHARUDOオリジナルTシャツにその姿がある。

■三春堂ショップ&ギャラリー
http://www014.upp.so-net.ne.jp/MiharudoGallery/
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2006年10月07日

■万灯ゆれる

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出勤したら店の前の道路に突然、櫓が組まれていた。毎年10月16日〜18日に行われる鬼子母神のお祭“御会式(おえしき)”で使う万灯の準備が始まったのだ。各町会ごとに1つ大きな灯籠があり、町会の人たちが紙で作った花をしだれ柳のように飾りつける。まるで巨大クラゲのよう。

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中心はこんな風になっている。

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日が暮れて、万灯に火が入る。今日から18日まで、この道路は万灯に占拠されるが、毎日万灯を眺めながら仕事をするのも悪くない。

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2006年10月06日

■棚板届く

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本棚の棚板は、狭い店内が少しでも広く明るく見えるよう、6mm厚のガラスにした。このあとガラスに少し細工をする予定。

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とりあえずその辺にある雑貨をのせてみる。少しお店らしくなった。
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■ひろびろ〜

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自宅兼事務所の時は、あまりに作業スペースが狭いため、毎回梱包に難儀していた「かんからさんしん」。こんなに余裕で包めるわ〜。うれしいわ〜。の1枚。
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2006年10月04日

■のっとられる

知人からのメールに、「“メガネ系お笑い女子”なんて思ってないから大丈夫ですよ」と書いてあった。すでに“文系”が外れている。

気を取り直して、今日も自転車で出勤。店に着くと、店頭に大きなパラソルが差してあり、しゃかしゃかと何やら怪しい人、2名。

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あっ、兄です、兄です、包丁研ぎをここでやりたいとは聞いてたけど、いきなり今日から、しかも勝手に始めておりました。そして、師匠まで一緒です(左)!この方、刃物研ぎだけで生計を立てているすごい方で、カンナなどの道工具、美容・理容のハサミ、芝刈り機の刃など、刃物ならなんでも研いでしまうプロフェッショナルなのです。

そんな人に、たまたま釣りに行った荒川土手で偶然出会ってしまった兄は、師匠のなわばりを少しずつ譲ってもらって、技術も教わって、まるで落語みたいな人生を歩んでおります。

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早くも雑司が谷ご近所さまの包丁、ハサミなどが集まってきております。

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固い針金なんかを切って、刃がガタガタになってしまった裁ちばさみ、これは刃を立てるのに1時間以上かかるとのこと。最後には切れ味もよくなり、お客さんも喜んでいた。若干心配なのは、ここが雑貨屋ではなく、包丁研ぎ屋だと思われてしまうことだが、そこは兄がちゃんと営業トークで「ここは妹の雑貨屋で、もうすぐオープンするから遊びに来てね」と、ちゃんと宣伝しまくってくれたのがありがたかった。

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仕事場の奥ではハタナカさんが梱包作業中。助かりますようー。

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一箱古本市で配るタビネコしおりができました。3種類、それぞれ穴が開いていて、ひっくりかえすと………穴に意味があるんです。もしもどこかで手にしたら、じっくり見てくださいましー。
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