2006年11月29日

■猫ばあば写真集

当店の大家さんはご自身でも猫を飼いながら、雑司が谷霊園に住む野良猫たちに、朝・昼・晩と何十年もエサをやり続けてきた、筋金入りの猫好きだ。その大家さんのご紹介で、当店のすぐ近くにお住まいの写真家、武田貞子(たけだ・ていこ)さんの写真集とオリジナルプリントのポストカードを取り扱わせていただくことになった。

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<▲クリックで画像拡大>
武田貞子写真集
鬼子母神の猫ばあば
 上川口屋十三代目店主 内山雅代さんの暮らし
税込¥1,890(本体¥1,800)

落款・署名入り

「鬼子母神の猫ばあば」とは、鬼子母神境内にある駄菓子屋、上川口屋を営む内山雅代さんのことである。上川口屋の創業は元禄年間、当初はさらし飴を売る飴屋だった。代々、安井家によって店は引き継がれ、現在の雅代さんで十三代目だという。

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捨てられた子猫を愛おしそうに抱きしめた、もんじろう。この子猫はやっと慣れてきたころ突然死してしまう。その数日後、あとを追うようにもんじろうも亡くなった。

ポストカードはそれぞれ異なる写真が3枚入りで、6種類、各525円。(売り切れました)印刷ではなく、武田さんご自身がオリジナルプリントで作っている。ポストカードに添えられた短いコメントに、武田さんの猫と猫ばあばへの温かい気持ちが溢れている。


memo1.jpg◎ご注文はメール・お電話・FAXでも承ります
>>通信販売の手引き
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2006年11月28日

■夜の学校 夜の散歩

店を早めに閉めて、神保町の東京古書会館へ。「古本・夜の学校」という、ライターの荻原魚雷さん、書肆アクセス店長・畠中理恵子さん、エッセイストの石田千さんのトークライブ。古書会館の8階で行われたのだが、このイベントは“お酒を飲みながら、都心の夜景が見える部屋で”というのが「夜の」学校たる所以らしい。本日のテーマは「神保町のこととか」。

荻原さん、石田さんのお二人は初めてお姿を拝見。荻原さんの「文壇高円寺」は更新されるたび、楽しみに読ませていただいている。著書『借家と古本』(コクテイル文庫)も、旅猫雑貨店で販売中である。(すべてサイン入りですよ!)それで、実際はどんな方なのかとても興味があったので、よい機会となった。

本を語り出すと止まらない魚雷さん、神保町の街の移り変わりを見てきた畠中さん、淡々と自分と古本の関わり方を語る石田さん。それぞれの個性が出ていて、和やかなトークライブだった。

8時過ぎ、古書会館を出て久しぶりに歩くことにした。数年前に御茶ノ水の日大病院に2ヶ月近く兄が入院していたことがあり、毎日見舞いの帰りは御茶ノ水から茗荷谷、時には池袋まで歩いて帰っていた。夜に街を歩くのがいいんですね。都会の散歩は夜です。

途中で、今日が三の酉だったことに気が付く。水道橋から江戸川橋へ裏道を抜け、護国寺前を通って雑司が谷へ。店の近くの大鳥神社へ急ぐ。

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もうほとんど人がいない境内に、3軒ばかり、たこ焼きなどのテキ屋が暇そうにしている。奥に熊手を売るテントがずらりと並んでいて、いつもどの店から買おうか悩む。似ているようでいて、縁起物の細工が1軒1軒違うのだ。

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熊手は、年々大きいものを買っていくのだというので、前回は三千円の、手のひらを広げたぐらいのにしておいたのだった。今年は五千円札を1枚握りしめてきた。ちょうど目の前にいたおじさんに、「五千円のを1つください」と言うと、「もう終わりだから、八千円のあげるから」と行って、前回の手のひらサイズの4倍はありそうな、立派な青竹にこれでもかと飾りがついたのを取ってくれた。おまけに亥の絵馬と、大入袋に入った亥の根付けを2個、つけてくれた。

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その熊手を抱えて店に戻り、帳場の横の壁に吊り下げてみた。豪勢ですなぁ。分不相応。とにかくありがたいことで。熊手のご利益か、翌日は本当に売上げが良かった。
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2006年11月27日

■神保町で出張販売

ご縁あって、東京・神保町にあります、地方・小出版流通センターの直営店、「書肆アクセス」にて、12月16日から約1ヶ月間、旅猫雑貨店の品物を出張販売させていただくことになりました。

店内をびっしりと埋め尽くす魅惑の出版物に混じって、ちょうどレジカウンターの正面、ほんのりとあたたかな光が灯る棚を2段分お借りします。

ディープな本好きが集うこの書肆アクセスで、はたして当店の品物をお手に取っていただけるのか否か、甚だ自信がございませんが、新着ブックカバー、手拭い本のお正月バージョン、本の持ち歩きにお勧めしたい風呂敷などを展示させていただきます。

 書肆アクセス・旅猫雑貨店フェア
 2006年12月16日(土)〜2007年1月13日(土)

 (株)地方・小出版流通センター 書肆アクセス店内にて
  〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-15 → 地図
  営団地下鉄半蔵門線、都営地下鉄新宿線・三田線
  『神保町』駅下車・徒歩3分
  TEL.03-3291-8474 FAX.03-3294-8065

  営業時間 月・火  =10:00AM〜6:30PM
       水・木・金=10:00AM〜7:30PM
       土    =11:00AM〜6:30PM

  ※12月30日〜1月3日はお休みです

書肆アクセスのホームページはこちら▼
http://www.bekkoame.ne.jp/~much/access/shop/

店長・畠中理恵子さんの書肆アクセス半畳日録▼
http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/

みなさまのご来店をお待ちしております。

そうそう、棚をお借りするといえば、我らが阿佐ヶ谷の元我堂にて、「モツ煮狂い」で一躍有名となったお二人が棚を借りられ、古書販売を始めた模様。>> 元我堂ブログ参照。

なにやらユニークな品揃え、もちろん「モツ煮狂い」も手に入るそうですので、こちらもぜひ訪れてみてください。
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2006年11月26日

■目がまわる

ちょっと前まで、吉祥寺のVICなんかに山と積まれていたコロムビア製レコードプレイヤーGP−3が、製造中止になったと聞いてがぜん欲しくなってしまった。

同じポータブルレコードプレイヤーでは、ステレオ出力かつ、お値段もちょっと安いVestaxが人気のようだが、こっちはおしゃれすぎて店の雰囲気に似合わないのである。コロムビアのおもちゃっぽい赤と白の、“昭和のかほり”がなければ。そうして欲しくなっていざ探し出すと手に入りにくい。

ようやくネットオークションで見つけて入札するも、私の希望価格よりも高値で他の人に落札されてしまった(競り合う気はなし)。気長に待っているとまた出品があり、今度のはなぜか誰にも注目されないまま、私だけの入札で安く手に入れることができてしまった。

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新品のまま箱に入れて保管されていた感じで、とても状態がよかった。何年かぶりで、レコードに針を落とす緊張感を味わう。レコードのホコリを取るためのビロード状のクリーナーのことも思い出す。あれは今も売っているのだろうか。片面が終わってはひっくり返し、また針をのせる。ああ、レコードってこんなに面倒くさかったんだっけ。ほうっておけば音が出ないまま、いつまでもくるくる回っている。デジタル師匠の高尾さんがやってきて、「音に艶があるねぇ。」と褒めてくれた。

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かけていたのはこちら。

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ああっ。お客さまのNさまが、雑司が谷界隈の地図を、藁半紙でこんなにたくさん印刷してきてくださいました。ありがとうございます!お店で配布中。
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2006年11月25日

■極寒・手創り市

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鬼子母神にて初めての手創り市が開催された。中板橋にあるroji cafeが主催。(最近、板橋に気になるお店がいくつかあって、近日、足を延ばそうと思っている)私は世の中の動向・流行に割と疎いので、「手創り市」というのがいろんな場所で開催されていることを知らなかった。フリーマーケットやバザーと異なるのは、中古品や古物を売ってはイケナイということ。手作りの品物であること。ものは試し、と申し込んで、旅猫雑貨店の手作り品をカートに積み込み、朝9時に鬼子母神境内へ。

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会場に着いてはじめて気がついたのだが、与えられたブース(1m80cm四方)に品物を並べるのに、敷物がなくてはならない。それと、店番をするための椅子・座布団。防寒対策として携帯カイロ等。すべて持ってきていなかった。他の出店者の方々は、そのあたり怠りなく万端整えてきていらっしゃる。あいや!急ぎコンビニへ走って、ナイロンのピクニックシートを調達。貧乏くさ〜(笑)ダメだなぁ、自分。

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売りものは、ヤマオカ女史作の当店オリジナルブックカバー。共布でわたくしめが作ったコサージュ、それから湯たんぽ袋に、着物地のたばこ入れを。フェルトや編みぐるみバッグといった女の子らしい出店が多い中、かなーり地味。

鬼子母神境内は木に囲まれていて、せっかくの快晴にもかかわらず全く日が当たらない。湿った土の地面から冷気がしんしんと伝わってきて、開始10分ぐらいであまりの寒さに帰りたくなってしまう。とてもじゃないが夕方まで持たないから、なんかウソをついて早退しようと真剣に考える。が、それもおとな気ないな、と考え直して、コンビニで買ってきた貼るカイロ1袋(10枚入)を、左右の手袋の中、背中、腰とお腹、靴底、足の甲にすべて使い、耐えることにする。それでも手足がかじかんだ。

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出店ブースから上を見上げると、紅葉。

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境内の駄菓子屋・上川口屋の屋根から観察している方。

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隅っこの方では、こんな方とか、

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こんな皆さんもいて、人間観察はかなり楽しめました。

お隣に出店していた、インドサリーで布小物や服を作っている方がとても親切にしてくださって、つま先用のカイロをいただいたり、トイレに行っている間、店番をしてくださったりした。たいへんお世話になりました!

お昼頃からポポタムの大林さんや往来座の瀬戸さん、東京セドリーヌのAkiさん、古書現世の向井さん(→「雑司が谷無法地帯」参照)が来てくださって、かなり楽しくなった。また午後からは思いのほか品物が売れたりして、なんとか4時まで続けられた。でも寒さには本当に弱いので、12月の出店は無理そう。また来年の春頃に出られたら、その時はがんばります。
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2006年11月24日

■日々うつろう

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先週はこんな色だったもみじが

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今週はこんな色になった
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2006年11月23日

■まだやります

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円筒に入ったブツが到着。
カッティングシートの切り文字で、スタンド式の看板を作る。先日、某業者さんに見積りを依頼したら「文字数多いから4万8千円」との連絡があり、(うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、無理!)と心の中で絶叫。それじゃあ自分でやりますわ。

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スタンド式の看板に、位置を合わせて仮止め。

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シートが大きいので、“水貼り”をする。台所洗剤を数滴混ぜた水を霧吹きで吹き付ける。(洗剤を混ぜると、水抜きがしやすくなるとのこと。洗剤が多すぎるとシートの付きが悪くなるそう。)

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仮止めを支点にして、シートをひっくり返し、裏側の台紙を剥がす。

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カッティングシートの粘着面を、看板本体にヘラをつかって密着させていく。霧吹きの水分を押し出すように。そしてこのまま水分が乾くまで1日おきます。

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翌日。カッティングシートの上の転写紙をそっと剥がしていく。勢いがよすぎると、細かい部分が転写紙にくっついてきてしまうので、慎重に……

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できた!
うれしい反面、なんだか恥ずかしいのです。ああ、こそばゆい。
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2006年11月19日

■雨の日

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雨である。元我堂の店番をしている時から経験しているけれど、雨の日の古本屋というのは、よく言えば本当に静かだ。悪く言えば本当に暇だ。雑貨屋もしかり。

こんな日は本でも読んで、といきたいところだが、やることが山積みなので、ひとつひとつ優先順位をつけながら片付けていく。

そこへ、ドアを開けて来店してくださったありがたいお方。見れば、西秋書店の西秋さんだ。ご家族でいわさきちひろ美術館を見てきた帰りだとか。今年生まれたばかりのお子さんを抱っこさせてもらった。メガネのおばちゃんが珍しいのか、人の顔を見てはニコニコと笑っており可愛いかった。

売上げは見事に撃沈。落語でも、「万度(ばんたび)いいと天狗になっていけねェ」と先代の正蔵師匠が言ったとか。これからも天狗になりようがない日々だと思うが、凹まず慌てず、いきますよ。
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2006年11月18日

■きーっ!

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湯たんぽ出荷ラッシュ、再び。顔が、このダルマさんのようにきーっ!となっております。心臓がバクバクします。お客さーん。もうすぐ届きます。

それなのに、嗚呼、それなのに。湯たんぽ早くもメーカー品薄の報あり。いやーん。
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2006年11月17日

■第二の人生

自宅近くに、ガラス貼りの古めかしい調剤室を持った昔ながらのくすり屋があったのだが、1ヶ月ほど前からシャッターを閉ざし、中で商品や什器の片付けをはじめていた。そのくすり屋の両隣りの商店も数年前に閉店して、あとに新しい店舗が入るでもなく、その一角がさらに暗く寂しくなってしまった。

すぐ近くに大手チェーンのドラッグストアが2軒、それに処方箋薬局も2軒と立て続けにできてしまったから、古くからの個人商店では太刀打ちできなかったのだろう。実際、私もそのくすり屋を利用したことはなかった。木枠のショーケースの上には折鶴ランの鉢、壁のポスターは色あせ、今でも乳鉢で粉薬を調合してくれそうな白衣のおじいさんが奥にいた。そのまま江戸東京たてもの園に移築しても違和感のない雰囲気だった。

先日、前を通りかかった時、半分シャッターが開いていて、ガランとした店内でおばさんが掃除しているのが見えた。もうすっかり商品も什器も処分してしまったと思ったら、すみっこに不要品と思しきものがいくつか置かれていて、その中に傘立てが見えた。

私の店にはまだまだ足りないものがたくさんあるのだが、そのうちのひとつが傘立てで、なかなか満足いくものが見つからないので、妥協して変なものを買うよりは、なくてもなんとかなる、と開き直っていた。(お客さんにしてみれば傘の置き場がなく迷惑な話だが。)それで、ダメもとでおばさんに、「この傘立てを譲っていただけませんか」と声を掛けた。ほうき片手におばさんが出てきて、「どうせ捨てようと思っているものだから、どうぞお持ちなさい」と言う。思いがけず、傘立てを入手。

店に持ってきて、水洗いをしてホコリを落としたら、まるでここに何十年もあったような顔で、入り口の脇にぴたりと収まった。

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