2006年12月22日

■立石書店 古本市・夜昼

“夜昼”という名前の通り、初日は夜7時〜11時の開催という、会社帰りに立ち寄れる古本市。私は立石書店の岡島さん、なべちゃんと共に帳場の係となって、「古本祭」とプリントされたエプロンをつけ、会計のお手伝いをさせていただいた。

店外要員として、古書現世・向井さん古書往来座・瀬戸さんリコシェ・阿部さん達が待機。

7時前から立石書店の前に並ぶ方もいらして、古書展初日とはこんな感じなのかな、とドキドキして気持ちが盛り上がった。開場してどどどっと店内にお客さまが入ってきたあとは、「静かなる熱気」としか言いようのない、店内がなにかすごい空気に満たされてしまった。獲物を狙うライオンが、音もなく草むらにいる感じ。いつくるか、くるかと待っているが、隅々まで獲物を物色するライオンたちは、なかなか帳場に姿を現さない。……シ−−−−ン。

こわい……。と、突然、獲物を大量に抱えて棚の陰から次々に飛び出してくる!ぎゃー。焦った。

そのうちに、あの人この人、見知った顔の方々がご来店になり、だんだん空気が和やかになった。大盛況で、10時ぐらいまでは人が絶えなかったのではないだろうか。夢中で会計や袋詰めをしていたので、時間経過の感覚がよくわからなかった。

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2日目は昼の部、昼12時〜夕方5時まで。12時から店番を手伝うはずが、少し遅れそうになってしまい、必死に自転車を漕いでいたら途中で転倒。小雨で滑ったーあはは。子供のように膝小僧をすりむき、青あざができた。いやー楽しいです。

立石書店に着くと、店の前にものすごい行列ができている。すぐ横にある穴八幡宮で、本日より「一陽来復御守」(江戸時代から続く伝統ある御守り)の配布が始まり、主に年輩の方々が延々と100メートルぐらいに渡って並んでいるのだった。すでに店頭に退屈男くんがエプロン姿で立っており、来年の暦をどんどん売っている。昨日とはお客さんの層が全く違うのだった。

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平成19年の暦、2割引き。岡島さんと退屈男くんがお昼ご飯を食べに行っている間、私も店頭に立って「来年の暦、2割引きです!いかがでしょうかー、ご利用くださーい」と声を出して売り込む。暦は開運歴、高島歴など1000円から2000円まで5種類あり、おばさま方に「どう違うの?」とよく聞かれて困った。岡島さんに、高いのほどより詳しく書いてある、と聞いて、そう答えるようにしたら、「あら、じゃあ高い方にしとくわ」という人が結構いた。あと、色暦と呼ばれている、表紙がカラーのタイプは書店でも取り寄せで手に入りにくいと聞いたので、それも売り文句に。「こちらはなかなか手に入らないですから、この機会にどうぞ!」と言うと、「そうなのよねー。じゃあ買っておくわ」という感じで、面白いように売れていくので楽しかった。

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これは古書往来座・瀬戸さん作の本のゴンドラ、「ホンドラ-II」である。通常、本棚で本の表紙を見せて置くと、その分、棚に置ける冊数が少なくなってしまう。そこで瀬戸さんが考え出したのが、本棚に垂直に取り付け、有効に表紙を見せながら、本棚の冊数も減らさない「ホンドラ」。約180度、扉のように動かせるので、陰になる本もきちんと見ることができる。上の写真は、スチール棚である立石書店用に、世界一強力な磁石で取り付けができるようにしたバージョン。瀬戸さんから開店祝いとして立石書店に贈られた。

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各参加店は、棚1本分ずつの展示。それぞれに魅力ある本が並んでいて、出店者というよりは、客の立場で見入ってしまう。月末も近いのでそんなに買ってはいけないと思いつつ、あれもこれもと唾をつける。

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旅猫雑貨店の棚はこんな感じだった。2日目は、外の棚にも手拭いや縁起物の商品を並べていただいたのでありがたかった。

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夕方からもお客さまが絶えずいらしたので、5時から30分ほど延長して終了。商品の撤収作業。立石書店の再スタートを飾る古本市に、微力ながら参加させていただいたことをとても光栄に思う。そして、プロの古書店の仕事の進め方(早い!)もとても勉強になり、得るものが多いイベントだった。それを少しでも旅猫雑貨店の運営に活かしたい。

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7時頃から、高田馬場の居酒屋で打ち上げ。今回、売上げダントツでトップは南陀楼綾繁さん。一人、スリップの束が異様に厚い。それをまるで悪代官が金を数えるがごとく、何が売れたかを検分する姿をカメラで激写(↑この写真ではなく)。2次会には書肆アクセスの畠中さんも合流。さらに3次会に行くみなさんに、南陀楼さんがカンパを。思わずリコシェ阿部さんが「けもの様〜!」と言ったのが一番可笑しかった。今後は私も「けもの様」と呼びたい。


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2006年12月21日

■準備できました

21日夜7時から、早稲田に新店舗を構える立石書店にて、店内・店頭を使った太っ腹な古本市が行われます。参加店がこれまた素敵な方々。当店も本日、品物の搬入作業に行ってまいりましたが、古本好き垂涎の本があちらにもこちらにも!本当にこの値段でいいのですか!(ト、心の中で叫ぶ)出店者の事前購入は御法度、「売れ残ったら買わせてください」の言葉も空しく、きっと売れてしまうに違いないさ。ああ、そうさ。(残ってくれ!)

立石書店オープニングイベント 古本市/夜・昼

◎日時
2006年12月21日(木)〜22日(金)
21日(木)古本市・夜 19:00〜23:00
22日(金)古本市・昼 12:00〜17:00

◎会場
立石書店(早稲田古本屋街・穴八幡寄り)→ MAP
新宿区西早稲田2−1−2−1階(電話番号は後日発表します)

◎特別企画
『路上派遊書日記』刊行記念 南陀楼綾繁「けものみち」放出セール
南陀楼さんの蔵書から約300冊を放出予定。

◎参加書店
海月書林 http://www.kurageshorin.com/
蟲文庫(倉敷)http://homepage3.nifty.com/mushi-b/
古書現世(早稲田)
三楽書房(早稲田)
にわとり文庫(西荻窪)
古書往来座(池袋)http://ouraiza.exblog.jp/
ハルミン古書センター(浅生ハルミン)http://kikitodd.exblog.jp/
書肆アクセス(神保町)http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/
リコシェ http://www.ricochet-books.net/
旅猫雑貨店(雑司が谷)http://tabineko.seesaa.net/

◎立石書店の正式オープンは26日(火)となります。
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2006年12月15日

■お邪魔してます

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先日お知らせしました、東京・神田神保町すずらん通りにある書肆アクセスにて、12月16日(土)〜1月13日(土)まで、旅猫雑貨店フェアとして和雑貨を販売中です!

入り口から入って中ほど左手、ちょうどレジカウンターの向かいにある2つの棚に、和のブックカバー、手拭い本、小風呂敷、縁起柄の手拭いなどを置かせていただいております。新書サイズのブックカバー新作もございますので、神保町へお立寄りの際は、ぜひお手に取ってみてください。雑貨のまわりにはユニークな小冊子や、アクセスならではの珍しい新刊本・雑誌が、棚にぎゅぎゅっと詰まっていて、必ず興味をそそられるものが見つかるはずです。(私は猫の豆本を狙っています……売上げが本の購入代に消えるかも。)

書肆アクセス店長、畠中さんのご厚意で、12月25日発売の『彷書月刊』に、「書肆アクセスに旅猫雑貨店がやってきました」という広告も出していただきました。旅猫がででーんと載っております。ありがとうございます!!

※書肆アクセスは12月30日(土)〜1月3日(水)の間、お休みとなります。
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2006年12月04日

■80代のお友達と

ご近所に住むシノさんは80歳を越えて、今だ現役で居酒屋をひとりで切り盛りしているおばあさんだ。はじめは兄の包丁研ぎのお客さんだったが、旅猫雑貨店にもちょくちょく立ち寄ってくださる。

シノさんが店内に置いてあるわらじを見て、雑司が谷に布わらじ作りの先生がいると教えてくださった。毎月、第1,第3月曜日に教室があるので、一緒に行こうと誘われて、第1月曜日の今日、お昼にシノさんと待ち合わせ、教室のある“ことぶき会館”へ出掛けた。

ことぶき会館は豊島区の公民館のようなところで、日本舞踊やコーラス、手話、囲碁・将棋など区民のサークルに、安い値段で広間や、ちょっとしたホールを貸してくれる施設である。

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2階の20畳ほどある日本間が布わらじ教室の会場だった。日当たりのよい静かな部屋で、掃除がしやすいように、ビニールシートが敷いてあり、布わらじ製作台が人数分置かれていた。

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この製作台は先生の手づくりとのこと。

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まずは、先生が用意してくださっていた、端切れを細く割いた生地の中から、自分の好きな色を選んでいく。

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ぞうりの縦糸になる縄。先生が端切れを5本掴んで、手のひらでひゅるひゅる〜と揉むようにすると、魔法のように固い縄状になってしまう。

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左のおじいさんが先生。本職は雑司が谷の学生向け下宿のコックさんだそう。

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最初の編みはじめのところを、先生にやってもらう。先生は台ではなく、自分の足の指を使って作ってしまう。

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編みはじめのところがつま先になる。

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4本の縦糸に端切れ布をどんどん編み込んでいく。左右に引っ張ると、わらじがどんどん細くなってしまうので注意。

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途中に赤とか黄色の差し色を入れると面白い。

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ここまでで1時間ぐらい。いやはや、初めてだからか、結構時間がかかります。

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シノさんはどうしても幅が狭くなっていってしまって、先生が何度も「はい、ほどいてやり直し」と言うのでちょっと凹み気味。シノさんがんばれー。

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「はい、あんたはもうそのぐらいで鼻緒つけるから」と言われ、手を止める。鼻緒も端切れの色具合を揃えて、先生がひゅるひゅる〜と縄をなってくれた。

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「最初だから」と言って、先生がどんどんやってしまいます。

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あら、ついちゃった。

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さらにかかとの方へ編み足します。なんとか履けそうなぐらいの大きさになったかな?

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裏側はこんな風になってます。

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余計な布をハサミでじょきじょき切る。

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まだ前ツボのところを留めてないのですが、とりあえず今日はここまで。途中、お茶を飲んで休憩が1回あったけど、約3時間もかかってしまった。わらじ職人の道は遠い。次回はもう片方を同じように編みます。乞うご期待。
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2006年12月03日

■ヴィンセント・ギャロと蛇の目傘

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元我堂仲間の石ころ嬢と、その旦那さま、しおみんが来店。写真はしおみんが店内で蛇の目傘を差したけど、天井が低いのでおかしなポーズになっているところ。彼は現在、俳優修行中で、日本版ヴィンセント・ギャロと私は勝手に思っている。男前であります。たくさんのお買い上げ、どうもありがとうございました。

日曜日なので、通りすがりにふらっと店に入ってくる方が多く、週末の店番は楽しい。兄の包丁研ぎの受注も快調で、ご近所の方は、どちらかというと雑貨よりも包丁研ぎのお店として見ているのじゃないかしらん。そして、包丁を出すついでに、店内をご覧くださるという感じで、そういうお客さまの心を、グッと掴むような品揃えをすることが課題です。まだまだだなータビネコ!
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2006年12月02日

■偶然の再会

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今年復刻されたばかりの『武井武雄・犬ぼう』いろはかるたが入荷したので、早速、かるたのコーナーに並べた。昔の『銀花』という雑誌に、このかるたの絵だけが綴じ込み付録でついていて(それも復刻だったのだが)、ときどき絵柄を見ては楽しんでいたので、実際に遊べる現物を手に取ることができて、とてもうれしい気持ち。

一人でふらりと店に入ってきた女性が、その武井武雄のかるたを指差して、「このかるた、私が子供の頃に遊んだのと同じです、懐かしい」とおっしゃる。20代後半〜30代前半ぐらいの方である。お父さんかお母さんが大事にしていたものなのだろうか。実際に中をご覧いただくと、絵柄のひとつひとつを覚えているという。特に、「泣きっ面にハチ」は、妹さんが泣いた顔にそっくりだったとか。

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妹さん、今はどんな人に成長されたのでしょうか。気になります。
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