2008年03月25日

■都電の車窓から

鬼子母神前から都電に乗って、三ノ輪の問屋まで仕入れに行く。40分ぐらいで三ノ輪に着くかと思っていたら、途中の王子で時間調整もあり、50分かかった。これは片道160円のちょっとした旅。

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三ノ輪駅入り口は昭和の風情が残っている。アーケードの薄暗い蛍光灯の下で新聞雑誌を売るおばあさんは居眠り中だった。

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都電沿線には煎餅屋が似合う。

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見上げるとかわいらしい外灯。

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荒川区役所の近く。線路沿いの桜並木は、このときようやく開花したばかり。

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町屋付近。雑司が谷も都電線路の両脇に道路ができるので、いずれこんな感じになるんだなぁと思いながら眺める。

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突如、車窓に古本均一台が!(もちろん下車しないと買えない距離)

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梶原駅にくっつくように、古本屋(たばこ屋兼業)があるのだった。たばこと新聞はホームから買えるようになっている。これは楽しい。

桜の名所、飛鳥山公園もまだ花見には早く、つぼみばかり。王子〜飛鳥山公園まで大きくカーブする坂道を車と並走するところは、都電荒川線の中でも割と気分が盛り上がるところなのだが、うふうふと外を眺めていたら写真を撮るのを忘れてしまった。

大塚駅を過ぎて、向原〜東池袋四丁目の区間は、密集した民家の軒先がぐっとせまってきて、干してある洗濯物がどんなものかよく見える(変な意味じゃなく、洗濯物が干してある風景が好きだ)し、線路の行く手に野良猫が横切ったりもする、最も好きな区間。以前はそんな眺めが鬼子母神前まで続いていたのに、雑司が谷〜鬼子母神前の線路脇の民家はほぼすべてが立ち退きに遭い、近い将来、車が行き来する道路になる。

◎都電荒川線:路線図
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/map/index.html
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2008年03月23日

■盛況はらっぱ市

あたたかな日曜日、桜の開花宣言が出たばかりの谷中は散策する人、お墓参りの人でかなりの人出。そんな中、貸しはらっぱ音地で行われた「はらっぱ市」に参加してきました。昨年11月につづき第2回目。

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雑司が谷のNPO法人「やすらぎ」チームは、不用品のリサイクルが中心。アクセサリーやお手製のアクリルたわしなどもあって、終了までに完売。

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千駄木にある天然酵母パンのパリットフワットも前回に引き続き完売。ミルク、ブルーベリー、ラズベリー、よもぎのパンと、ジンジャークッキーなどありました。もちろんわたしも買いましたとも!至福のおいしさです。

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不思議と書いてはてな、のトシさんは阿佐ヶ谷・元我堂の店長仲間でもあります。ゆる〜いはらっぱの中で唯一、古物商のプロっぽい品物を並べてました。

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菓子の木型がいろいろあって面白かった。

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ウワサの「メーちゃん」チーム。Sさんと娘2人、親子での初参加です。看板にも気合いが。なんとSさんは参加者全員にお稲荷さんとゴマきなこのお団子を作ってきてくれました。わたしゃ朝起きるのに精一杯で、そんなこと考えも及びません。いやぁ、できたお人だ〜。参りました。ごちそうさまです。

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メーちゃんも大量に持ってきていました。過去最高の売り上げを記録したとか。よかったよかった。

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こちらも雑司が谷から初参加の「ステンドグラス工房 時屋」。普段は受注製作で窓や照明器具を作っている方ですが、今回はステンドグラスを作る時に出るガラスの破片を使ったペンダントトップや箸置きを出品。

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こちらは本業で作っている照明のシェード。素敵です。

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雑司が谷横丁レコードでは中古CDが3枚500円、中古LPは100〜200円。今回はかなり状態のいいものが多かったので、お買い得だったのでは。古本はカラーブックスや食の本が売れ筋でした。

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謎の中古品を売る闇猫屋には、ほんとうにヘンなものがいっぱい。でも不思議と売れてしまうのがすごいと思う。

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兄・刃研ぎ堂の必死の呼び込みトークの甲斐あって、大盛況で終わったはらっぱ市。次回は一箱古本市の前日、4月26日(土)に同じく貸しはらっぱ音地で行われます。どうぞよろしくお願いいたします!
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2008年03月21日

■最近入荷したものなど

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▲ぽち袋(長)/金太郎 1袋5枚入り 350円(税込み367円)

見た瞬間、なんか嫌だったんです、目つきも髪型も画面からはみ出していっぱいいっぱに書いてあるのもなにもかも。でも、この「あらいやだ」っていう感覚が、自分の店の片隅にあったら面白いんじゃないか、なんて思ってしまって注文。入荷して以来、見たくないのにどうしても見てしまいます。ほほえみかけてきます。インパクトを狙う方に。

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▲古布針山 900円〜1600円
先日、吊し雛を見せに来てくれたSさんに、こんなの作ってとリクエストしておいたら、早くも納品ですよ!しかもこんなにいっぱい。小さいの以外、使ってある器は陶芸家である旦那さん作。娘さんたちのメーちゃんも扱ってますから、家族4人全員がお取引きのある作家さんになってしまったという、珍しいケースです。

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▲中国のガラス製ぐい呑みに和菓子のように。1個900円

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▲リストタイプは1個1000円 これ、湯たんぽ袋を作るときに便利〜。自分で使おうかしら。
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2008年03月19日

■女子の古本屋

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岡崎武志さんが筑摩書房のPR誌『ちくま』に連載した「古本屋は女に向いた職業ー女性古書店主列伝」が、1冊の本にまとまり、3月25日に発売となります。単行本のタイトルは『女子の古本屋』。僭越ながらわたくしめも取り上げていただきまして、赤裸々に(笑)しがない人生など語ってしまっております(もちろん、これがすべてではありませぬが…ウフフ)。

自分はさておき、日頃親しくさせていただいている女性古書店主も多いのですが、こんな風に子供の頃からの経験談をじっくり聞く機会はほとんどないため、「ええっ!そうだったの!!!」とびっくりするようなことがいっぱい出てきます。いやぁ〜、知らなかったなぁ。ほえー。これは楽しい。岡崎さんだからここまで聞き出せたんだろうなと思います。

裏表紙にお掃除している女の子の絵がありますが、少し前に、イラストを担当された浅生ハルミンさんが「金子さんが掃除してる写真があるって聞いたから、女の子がホウキ持って掃除してるイラストを描いておいたよ」と教えてくださいました。コウノ嬢は、その横でちりとりを持っている猫を「これワタシね〜」と言って喜んでおります。ハルミンさん、ありがとうございます!

18日夜、岡崎さんのトークライブが行われている高円寺の古本酒場コクテイルへ。引き戸をガラガラと開けると、20人ばかりのお客さんがシーンとなり、真剣に紙とにらめっこしていた。「試験中だから静かに入ってや」と岡崎さんに注意される。岡崎さんの著書『読書の腕前』の文章が兵庫県公立高校の入試問題になり、その問題を全員が解いていたのだ。わたしも問題用紙をもらい、解答した。問一 〜 問六まで、全問正解だったのは20人中5人ぐらいか。わたしは最後の一問が時間切れで適当に書いてしまい、正解は5問のみ。残念!くやしい!唯一、国語だけは得意なのに。

カセットテープ版You Tubeでは永井荷風の声に一同オドロキ。そのあと岡崎さんが10曲ぐらい歌った。終了後、岡崎さんにいつか歌ってほしい曲をリクエストする。吉田拓郎がキャンディーズのために書いた曲「あなたのイエスタディ」。歌詞も曲調もバリバリの吉田拓郎なのに、キャンディーズのミキちゃんが歌っている。有名ですが「やさしい悪魔」も吉田拓郎作曲。あ、本人も歌ってたんだ。
▼キャンディーズバージョン
http://jp.youtube.com/watch?v=6Xh5I6MGIow&feature=related
▼吉田拓郎バージョン
http://jp.youtube.com/watch?v=7zWmgK27Rtk

コクテイルの写真、3枚。
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2008年03月15日

■10万点

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第3回サンボーホール ひょうご大古本市
平成20年3月28日(金)〜30日(日)
神戸三宮サンボーホール(1F 大ホール)にて
兵庫県の老舗、新鋭最強の古書店が10万点を超える古書を神戸三宮に大集結!

京都の林哲夫さんより、<ひょうご大古本市>のハガキをお送りいただいた。この時期に関西へ行かれる諸兄は立ち寄られたし。10万点の古書って、こちらで言うと所沢くすのきホールぐらいの規模でしょうか。とにかくすごい量です。30日には一箱古本市も開催されるとのこと。このハガキは当店他、古書往来座でも配布しております。

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キトラ文庫発行『coto』15号、林哲夫さんの「神保町きんいつ五人男ー古書へんぺん記11」文中に登場する「ボッテさん」ってあの人だよなぁ……ゴミ袋の均一ジイさんは私も目撃したことあります。
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2008年03月14日

■右脳90%、左脳10%

中野通りに「トタン屋根と雨の音」という名前の居酒屋があって、かれこれ7、8年前にはじめて見たときからいい店名だなぁと思っていた。(いまだに入ってみたことはないのだけれど。)

で、現在。オンボロな当店もトタン屋根なのです。利点は雨が降ってくるとすぐわかるところ。屋根裏から、たん、たん、たんたん!と雨の当たる音がしだすと、あわてて表に出している均一箱やチラシを店内に取り込みます。結構楽しいです。

14日夜、志らく独演会@銀座ブロッサムへ。立川流は談志、志の輔、談春、志らくを中心に都内で行われる独演会、一門会はできるかぎり通っているけれど、去年ぐらいから志らくがものすごく気になり出しているのだ。今年は月1回の「志らくのピン古典落語編」に欠かさず行きたい。

この日、私の席の斜め後ろが大林宣彦監督だった。会場で配布されたチラシを見たら、赤川次郎原作、大林宣彦監督の映画「あした」を立川志らく演出で舞台化するのだそう。BSのドラマにも出演したり、大活躍だ。

演目ははじめに「子別れ」上中下。上は初めて聞いた。やはり八百屋の存在がいい。落語で独自の演出を試みる、志らくの面目躍如だ。

仲入り後、「落語長屋」。談志の落語チャンチャカチャン(古典落語の名場面をつなげた話)を教科書に、ただつながっているだけでなく、志らく流にひとつのテーマをいれこんだもの。よかちょろ→二階ぞめき→湯屋番→米揚げ笊→時そば→突き落とし→付き馬と、若旦那の話がつながっていき、居残り佐平次が誕生するまで。なんと佐平次の誕生秘話だった!サゲのあと、これは順に文楽、志ん生、圓生、馬生、小さん、金馬へのオマージュでもある、と言った。各師匠の得意噺をつなげたのである。編集力と演出力が光った一席。志らくの落語はどんどん進化していく。

パンフレットに志らくが、「……ちなみに私の分析では談志は右脳70%左脳30%。志の輔兄は右脳30%左脳70%。談春兄は右脳50%左脳50%。志らくは右脳90%左脳10%。」と書いている。なんとなくわかるような、わかんないような。「右脳と左脳の両方が異常に発達している談志は、右脳と左脳が喧嘩をしてそれで狂いそうになっているのだ。」とも。その格闘が見えるから面白いのだ。
posted by 店主かねこ at 00:37| Comment(0) | TrackBack(1) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする

2008年03月13日

■視線を感じた

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チラリ猫
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■月の湯チラシの訂正とお詫び

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【訂正とお詫び】
チラシ記載の月の湯入浴料100円割引券について、銭湯側の都合により「入浴料金の割引」としての使用ができなくなり、代わりに「(入浴のお客様に限り)100円相当のドリンクを1本サービス」に変更させていただくこととなりました。すでにお手元にチラシをお持ちのお客様には心よりお詫び申し上げます。尚、割引券の部分にバツ印がついたものは、割引無効とさせていただきます。誠に勝手ではございますが、ご了承をお願い申し上げます。
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2008年03月12日

■横丁レコード再び

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▲クリックで拡大します

兄・刃研ぎ堂主催のはらっぱ市(第2回目)が今月23日に行われます。前回参加したわめぞ民は多忙につき今回は参加できないのですが、特筆すべきは、雑司が谷からステンドグラス工房時屋がガラスのアクセサリーや手鏡、ランプを、そしてSさんちの小学生の姉妹が、噂のメーちゃんを出張販売します!姉妹2人で店番もしてくれるそう。晴れるといいなぁ。

はらっぱ市 =ゆるゆる露天フリマ=
2008年3月23日(日) 10時〜16時 雨天中止
会場:谷中 貸はらっぱ音地 http://ondi.exblog.jp/
   東京都台東区7−17−6(旧谷中学校・香隣舎となり)
問い合わせ先:080−5003−5777(刃研ぎ堂)

<参加店>
不思議(はてな・デッドストック雑貨、アンティークなど)
パリットフワット(天然酵母パン)
やすらぎキャッツアイ(リサイクル品)
ステンドグラス工房時屋(ステンドグラス作品)
メーちゃん(毛糸製の羊人形)
◎雑司が谷横丁レコード(中古LP、CD)
◎ヴィレッジハンドワークス(USAアンティーク)
◎闇猫屋(謎の中古品販売)
刃研ぎ堂(包丁・はさみ・各種刃物研ぎ)

久しぶりに雑司が谷横丁レコードも参戦。今回はLPレコードに加えて、CDも多数出品されますよー。

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▲LPは100〜200円、CDは200円均一。1980年代の輸入盤が中心です。
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2008年03月11日

■吊し雛

さまざまなちりめんのお細工物を糸でつないで天井から吊り下げる「吊し雛」は、伊豆稲取地区などで受け継がれてきた伝統工芸。その華やかさ愛らしさに憧れつつも、いざ商品として扱おうと思えば、1つ1つ手間ひまのかかるちりめん細工をたくさん連ねたものゆえ、非常に高価にならざるを得ない。以前デパートでの展示を見たのだが、それには1つ12万円というお値段がついていた。うぅ。(自分で作る意気込みは、ない。)

先日、そんな話をご近所のSさん(娘が2人いる)にしたら、「今年、吊し雛作ったよ。家に飾っているから、3日までに見に来て!」という。ところが忙しさにかまけて3月3日までにSさん宅に立ち寄ることができず、また来年ね、と思っていたら、8日にSさんが大きな紙袋を2つ提げてご来店。2種類の吊し雛をわざわざ見せに持ってきてくださった。

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玉飾りと、童子が60個ついた2種類の吊し雛。さぞかし時間がかかったでしょう、と聞くと、わずか3日で作ったのだとういうから驚嘆した。Sさんは料理を作るのも早く(かつ非常においしい)、まったく尊敬してしまう。使ってある生地も、すべて自前の着物地から取ったものだという。ひとつひとつが目に楽しい。娘さんたちもさぞかし喜んだのだろうな。こういうお母さんからメーちゃんを作り出す娘さんたちが生まれたのだと納得。
posted by 店主かねこ at 04:24| Comment(2) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
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