寅さんといえば露天での啖呵売(タンカバイ)の口上で、「四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い」「ちゃらちゃら流れる御茶の水」「大したもんだよ、カエルのしょうべん」「ヤケのヤンパチ、日焼けのナスビ、色は黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たない」なんて好きなのがたくさんありますが、毎回毎回、本当にさまざまな物を売っていましたねー。第1作の「男はつらいよ」で売っていたのは古本でした。
「カドは一流デパート、赤木屋、黒木屋、白木屋さんで、紅白粉(おしろい)つけたおねえちゃんから、くださいちょうだいでいただきますと、五百が六百くだらない品物ですが、今日はそれだけくださいとはいいません。 なぜかと言いますと、神田は六法堂という書店がわずか三十万円の税金で、泣きの涙で投げ出した品物です。 四百、三百、二百、どうだ百両だぁ。どうだぁ。これでも買わない?畜生!よし、もうこうなったら浅野匠の上じゃないけど、腹切ったつもりだ。 どうだい、よし、こうまけて、こうまけて、まかった、お前らこれ持ってけ、だめ?帰れババァ。 よし、こうなったらもうおら死んだつもりだよ、火つけちゃうぞ。おじさん持ってけ!」「神田の六法堂という書店」は架空なのでしょうが、のちにカーテンを売る時には六法堂は織物問屋ということになったりするのが可笑しい。

さくらに宛てた葉書も展示されていました。「私反省の日々を過ごしつつ、くるまやのご繁栄を遠い旅の空より祈っております」っていいよねぇ。(わたしがメールに必ず「かねこ拝」って入れるのは、実は寅さんの真似なんです…)

寅さんの鞄の中も面白かったです。蚊取り線香は箱ごと、頭痛薬ケロリン、龍角散。暦はバイに役立てるのか旅の方角を占うのか。花札とサイコロも入っていました。トイレットペーパーは放浪の旅の必需品なの!わたしも自転車旅で経験してるので判るわ〜。
思ったよりも小さな記念館でしたが、いろいろツボにはまる展示があって充分楽しめました。このあとは御前様の面影を探しに帝釈天へ。
<しつこくつづく>
posted by 店主かねこ at 00:00|
Comment(3)
|
TrackBack(0)
|
□路地裏縁側日記
|