2008年09月18日

■弦巻鳥クロニクル

誠に勝手ながら、9月22日(月)、23日(火)、
24日(水)は店舗の営業を休みます。


tsurumakidori.jpg

9月1日より、旅猫雑貨店が加盟している商店街の名称が、「雑司が谷商友会」から、「雑司が谷弦巻(つるまき)通り商友会」に変更されました。商店会長からの依頼で、街路に飾るフラッグのデザインを担当させていただきました。上の画像がそれです。名前は弦巻鳥といいます。なぜに鳥かと申しますと……

まずは弦巻通りの由来から。むかしむかし、この商店街のある道は、池袋西口にあった丸池を水源とする<弦巻川>という川が流れておりました。この川は昭和15年には暗渠(川に蓋をして道路にしてしまうこと)になったので、弦巻川のことを覚えている人は現在70代後半〜80歳を越えた方だけでしょう。ちなみに弦巻川の暗渠は、パリの下水道を手本に作られたそうで、今でも人が立って歩けるぐらいの大きなトンネルになっているそうです。この弦巻川にちなんで、川に沿った道を弦巻通りと呼ぶようになりました。
(弦巻川についてのおはなしは、雑司が谷の郷土研究家・矢島勝昭さんから直接伺いました。また、矢島さんの自費出版の本にも詳しく書かれています。古書往来座で購入できると思いますので、興味のある方はどうぞ。さらに矢島さんは、この弦巻川の歴史を紙芝居に仕立てて、時々、地域のイベントで上演されています。)

弦巻川のそばにはは江戸名所図会にも描かれた法明寺があり、鬼子母神堂はこの法明寺の飛び地(正確には神社ではないのです)、今は近くの別の場所にある大鳥神社も、元々は鬼子母神境内に鷺明神として祀られていました。それが明治時代に入ってすぐ、神仏判然の令(寺と神社は分けなさい、という命令)が出て、大鳥神社は現在の場所、弦巻通りの道沿いに移転しました。雑司が谷の各町は大鳥神社の氏子として、酉の市や例大祭に参加しています。

というわけで、この大鳥神社の大鳥様と、弦巻通りの弦巻を掛け合わせまして、<弦巻鳥>というキャラクターを考えたわけであります。(は〜、疲れた……長々とおつきあいさせてすみません)キャラクターと言っても、遠くから眺める旗なので、単純明快な図案といった感じですが。手に持っているのは、先日もこのブログに書いた、江戸時代に雑司が谷土産の名物だった<かざぐるま>です。このかざぐるまも、復刻者の矢島勝昭さんのご了承を得て図案化させていただきました。近日、当店周辺の商店街に、このフラッグがしらしらとしらめきます。もし見かけることがございましたら、どうか暗渠になった弦巻川や、明治政府の神仏分離などに思いを馳せていただければ幸いです。

--
お知らせ:
9月21日(日)は、目白台・月の湯にて歌ごえ銭湯
posted by 店主かねこ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック