2004年11月27日

■今日の談志

立川談志

今日は久しぶりの談志を聞く日。自宅から近い練馬文化センターで行われるので、夕方ひとっ風呂浴びてから自転車で会場へ向かう。会のタイトルは『立川談志と若手精鋭落語家の会』。

前座の立川志の吉からはじまって、柳家喬太郎、春風亭昇太、柳家花禄、立川談志という順番で、『若手精鋭』というのは花禄だけ?という気もしないではないメンバーだけれど、大好きな春風亭昇太がまた聞けると思うとそれだけで楽しい会である。

まずは志の吉「松竹梅」、立川流に弟子入りするだけでも気骨のある若者だと思うのだが、談志の会の前座というのは皆相当なプレッシャーがかかる。唯一の救いは前座の段階ではまだ談志が楽屋入りしていないことだが、談志を聞きに来る客というのはやはり厳しい。緊張感が伝わってきてこちらが手に汗をかいてしまう。

次に柳家喬太郎「ほんとのこというと」、この人は今まで全く知らなかったけど、談志に呼ばれるくらいだからクセ者?と思っていたら、本当にすごかった。細かいのです、描写がいちいち。ひとり芝居のような創作落語で不思議な味があり、もっと聞いてみたいと思える人。

次に春風亭昇太「権介魚」。これ聞くの2度目なんですが、なんでも師匠(春風亭柳昇)からは2つしか落語を習わなかったというから、あと1つもそのうち聞いてみたいものだ。昇太の訳解らないまま笑いを取る芸と妙な動きが大好きで、やっぱり今日も涙を流して笑ってしまった。

次に柳家花禄「時そば」。花禄はいい、と、いろんな人から聞いていたので一度見たいと思っていて、本日初。小さんの孫だから談志とは一門みたいなものだけど、花禄の“サラブレッド感”は立川流にはそぐわないし、花禄本人も新しい師匠はいらないと言っていた。落語は至極まじめできれいに演じすぎており、蕎麦をすするところは拍手も起きたけれど期待したほどではなかった。おそらく皆にそういう目で見られていることを、本人が一番よく知っているに違いない。年を重ねてこの芸がどこまで行くのかが楽しみではある。

さて最後に談志の「短命」。私は「談志をこっそり見守る会」会長として、都内周辺で行われる独演会、ひとり会は必ず見にいくことにしているのだが、今日のはどうも調子がよくなかった。調子のいい時と悪い時でこんなに落差のある落語家は談志だけだろう。美人妻が亭主と3度も死に別れるところ、2人目が死ぬのを飛ばして3人目の話に入ってしまい、途中で気づいて2人目のところに戻った。去年12月のよみうりホールでの「芝浜」もよくなかったが、年末は疲れがたまってきてしまうためだろうか。体調が心配である。
posted by 店主かねこ at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | □落語・立川流 | 更新情報をチェックする
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