
メダカの火鉢に浮かべているホテイアオイに花が咲く。花は少し毒々しくて好みではないが、めいいっぱい高いところまで延ばした茎に派手な花をつけ、たった1日、その日の夜には折れ曲がってしぼんでしまう。その懸命な潔さは好きだ。メダカも花見を楽しんでいるに違いない。黒髪のような根は、メダカの卵の大切なゆりかごでもある。


店を開けて一番に入ってきたお客さまの浴衣姿が素敵だった。ご了承を得て写真を撮らせていただく(オヤジ心?)。紫陽花と、白、灰、黒の猫が踊る浴衣に、毬で遊ぶ猫の帯留め。雑司が谷の町にとても似合っておりました。ありがとうございました。

夕暮れ、携帯電話が鳴る。中学生のSちゃんから
「たび〜、空を見てくださーい」
外に出ると、もう半分くらい消えかかっていたけど、ちゃんと七色がわかる虹が出ていた。虹を見たのは何年ぶりか(たしか4、5年前に有明で見た記憶あり)。道行く人がみんな空を見ている。さっきまで、もっと奥にもうひとつ虹があったんですよ、と知らない女の子が教えてくれた。
夏の艶やかな1日。
