以前は作業服専門店の中にある刺繍工房にネーム刺繍を頼んでいたのだが、経費削減の一環なのか、その工房が廃止されてしまった。どこかにそういう業者がないかなと思っていたところ、ふと通りかかった道沿いのガラス戸の中に、業務用ミシンと、たくさんのカラフルな糸が見えるではないか。そして看板には「ネーム刺繍」と!これはしたり。
さっそく、持ち込みで依頼してみる。おじさんとおばさんが2人きりでやっている店で、おじさんの方がミシンを担当。すぐにその場でやってくれるという。で、普通はコンピューター内蔵のミシンに文字データを入力して……みたいな作業があるのだが、おじさんのミシンは戦前から使っているような年季の入った、アナログそのもの。さて、どうやって刺繍するのかしら?と眺めていると、「場所はこの辺でいいのかな?」と前掛けにチャコペンで簡単な四角い枠印をつけ、そこをミシン針の下に持っていきます。まさかね……と思っていると、やおらミシンが動き出した!
ええーーーーーーーーっ!! と、気をつけの姿勢のまま目が飛び出しましたよ。なんとフリーハンドで、ひらがな、漢字、英字と刺繍をしていくのです。どういう加減か、筆で書いたような止め・払いも絶妙についていて、ものすごい技を間近で目撃し、驚嘆、感激。これ、ミシンを多少でも使っている人ならものすごくわかると思うのだけど、たとえ下書きがあったって文字の刺繍をフリーハンドでやるのは至難の技です。
出来上がったネーム刺繍はなんとも言えない迫力があり、かつ味のある文字で、NEGIさんの前掛けが羨ましくなりました。すでに刺繍入りのが2枚あるんだけど、私もこのおじさんにミシン刺繍してもらったのが欲しくなった。

おじさんに「うふふ、変わった名前だねぇ」と言われた
この刺繍加工のおじさんのお話、なんだか私も読んでいるだけでうれしくなりました。神業を是非拝見したいものです。
ミシンの針は、細かく左右に振れるようになっているだけで、線を太くしたり細くしたりの振れ幅をどうやって加減しているのかは、見ていても全くわかりませんでした。トートバッグとか帽子などにイニシャル入れてもらうのもいいかもしれません。
海ねこさん
人間ってすごいね、と私も思いましたです。屋号やイニシャル刺繍のご用命があればぜひに。
Mongoさん
そうそう、酒屋前掛けしてましたよね。次回は作業の様子を撮影させてもらおうと思います。
いい方に縫っていただきました。
往来座に預けておきますね。
前掛けつけているとかなり目立つと思いますー。
ネーム刺繍、最近二度ほどテレビで見ました。
フリーハンドでかつ、活字のようにきれいな文字をダダダーと長年の勘だけで縫われる姿は迫力がありますよね。
テレビで見ているだけでドキドキしました。
こういう街の職人さんには頑張って頂きたいなあ。
今、無地のトートバッグをオーダー中なので、バッグに名前を入れて頂きたいです!
そうなんですか!他にもネーム職人がまだまだいるんですねぇ。知りませんでした。
身近に、こういう素晴らしい技を持っている方がいたってことが楽しくて仕方ありません。アナログ万歳!この技を次の世代が受け継いでほしいけど、難しいんでしょうね。