創業明治22年の金物屋の倉庫には、さまざまな品物が眠っているらしい。
「面白い爪切りあるよ」とお内儀さんがガラスケースから取り出して見せてくれたのは、見たこともない大きな爪切りと、カーブが愛らしいペンチ型の爪切りだった。COLT社製の爪切りはすでに製造されていないもので、爪切りというよりはホチキスとか穴あけパンチといった文房具みたいに見える。こんなに大きいのじゃ切りづらいだろうと思ったが、手にとって動かしてみると力がいらずに楽に切れる感じだった。爪の厚い男性にはこのくらいの爪切りが必要なのかもしれない。
爪切りの世界にもマニアがいて、どこから聞いたのか遠く九州などからもこの爪切りの注文が来るという。そうして最後の1個になってしまって、今ではガラスケースの中で“非売品”の札をつけて展示されている。
ペンチ型爪切りは我が家でも諏訪田製作所のものを使っているのだが、その諏訪田で昔、BAT印の爪切りというのを作っていたそうで、今ではほとんど手に入らないレアアイテムとなっている。それがこれ。
これも最後の1個とのことで非売品。同じようなデザインが別のメーカーで今も作られているがこのマークはないとのこと。
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