2004年12月23日

■井戸水飲んでみました

井戸おじさん

いつも通っている杉並区の妙正寺川沿いの道で、1年以上気づかずにいた井戸ポンプがある。通るたびに観察していたら、どうもこの井戸はそばにある八百屋さんの持ち物で、店に出す野菜や、発泡スチロールの箱を洗ったりするのに井戸水を使っているようだ、ということがわかった。

今日、手押しポンプの写真を撮ろうとそこへ行くと、タイミングよく八百屋のおじさんがやってきたので、「井戸の写真、撮らせてください。」と言うと、「珍しいかい?じゃあ、おいさんが水を出してあげよう。」と、ポンプを押してくれたのだ。それから、「水、飲んでみな。大丈夫だよ、この水で魚が飼えるんだから。」と言う。どれどれ、と手ですくって一口飲んでみると、意外にもぬるい水だったので、「あ、冷たいかと思った!」「井戸水っていうのはね、夏でも冬でも15度ぐらいなんだ。」と教えてくれた。そしてこの井戸水は、地下7メートル位のところから始まる粘土層の下、第2層から汲み上げている井戸水だから今でもきれいなんだ、ということだった。今現在、都内に残る井戸は第1層の浅い地下水を汲み上げているところがほとんどなので、鉄分が多くてとても飲めたものではなく、都の保健所でも飲用は禁止している。近所に、この八百屋の井戸水を汲んでいって魚を飼っている人がいるそうで、魚が死なないのがいい水の証拠なのだ、もし魚が死ぬようなことがあったらすぐ教えろと言ってある、という。おいおい、おじさん、私に飲ませておいて。

しかし「魚の住める水を飲め」と昔の人は言ったそうだ。おじさんの言うことは正しいのかもしれない。このほか、おじさんの子供の頃の杉並区の様子も話してくれた。つい30年位前まではこの辺りは一面の田んぼだったこと。西武新宿線の鷺宮駅から、妙正寺公園が見えたこと。(今は全く想像できないほど密集した住宅街。)現在の地名になっている天沼(あまぬま)は、葦の茂った大きな沼で、その土手でよく遊んだこと。釣りをしたこと。ずいぶんいろいろなことを教えてもらった。おじさんは杉並の生き字引に決定。またお話聞かせてくださいな。
posted by 店主かねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
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