2005年01月21日

■北風と古本屋

元我堂は阿佐ヶ谷駅から10分ちょっと歩くので、夜道を家へと急ぐ人々は、ちょうど体が冷え切ってまさに「切ねェー」という頃に元我堂の前を通過していく。きっと頭の中ではぬくぬくとしたコタツのこととか、「だー。」と気持ちよく湯船に浸かることとか、今日見ようと思っているDVDのことなんかが駆けめぐっていて、急ぎ足で元我堂の前を通過していくのだ。カツカツカツと足音ばかりが響く阿佐ヶ谷の夜。

と、その中にふと足を止めて、ふらふら〜っと元我堂に吸い寄せられてくる人がいる。カラカラカラ、とガラス戸を開けてお店に入ってくる。もう、それだけでありがたい。

今日は自宅から1リットルのサーモスに熱い紅茶を入れて持ってきたので、紙コップに入れてお客さまにも差し上げた。元我堂は床がコンクリートむき出しなので底冷えがするのだ。少しはお客さまの体も温まっただろうか……。

そのせいかどうか、最近不調だった金曜日の売上げも久しぶりに回復。

帰り道は北風さらに厳しく、自転車に乗っていると顔が凍るようだった。風が強いぶん空がものすごく澄んでいて、頭上には北斗七星がくっきりと見えた。だいぶ低い空にも星が見えており、東京では珍しいこと。寒いのは苦手だが、この点は冬もいいなと思う。

【本日の品出し】

◎犬はどこ?/林丈二 900円
 (廣済堂出版/1998年/初版/カバー・帯)

◎東京風信/木野工 700円
 (南風社/1994年/初版/カバー・帯)

◎平成お徒歩日記/宮部みゆき 500円
 (新潮社/H10年/2刷/カバー)

◎コルシア書店の仲間たち/須賀敦子 200円
 (文春文庫/2002年/8刷)

◎わたしの渡世日記・上/高峰秀子 400円
 (文春文庫/1998年/初版)

◎動物のぞき/幸田文 250円
 (新潮文庫/H10年/初版)

◎縛られた巨人 南方熊楠の生涯/神坂次郎
 300円
 (新潮文庫/H3年/初版)

◎新東京百景/山口瞳 300円
 (新潮文庫/H7年/3刷)

◎きまぐれ星のメモ/星新一 400円
 (角川文庫/S51年/16版)

◎進化した猿たち1/星新一 400円
 (新潮文庫/S63年/10刷)

◎進化した猿たち2/星新一 400円
 (新潮文庫/H1年/2刷)

◎怖い絵/久世光彦 400円
 (文春文庫/1997年/初版)

◎ぼくのおじさん/北杜夫 200円
 (新潮文庫/S56年/初版)

などなど。
元我堂の地図は >> こちら
posted by 店主かねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | □古本のこと | 更新情報をチェックする
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