2012年04月21日

■「郷土玩具の魅力を知る」その2

■前回の記事はこちら >>「郷土玩具の魅力を知る」その1

郷土玩具の中でも最も古いもののひとつに「犬張子(いぬはりこ)」があります。犬はお産が軽いという安産の意味と、人間を守ってくれる動物という意味もあり、現在の犬張子の前身「犬筥(いぬばこ)」が平安時代から産室に置かれるようになったといわれています。

立ち姿の犬張子は江戸中期に誕生し、次第に子供の成長を願う縁起物として、初宮参りの贈り物にする習慣ができました。

▼ 江戸時代の浮世絵、橋本周延作『見立て十二支より 戌 神田明神参り』に描かれた犬張子
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▲▼ 画像/はりこのはやしや ホームページより
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この浮世絵の犬張子を、忠実に再現している若い職人さんがいます。埼玉で張り子職人として仕事を始めた林史恵さんの犬張子は、現代的な「かわいい」とはまた違った、江戸らしいひょうきんな姿と首振りが特徴です。

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▲ 写真/はりこのはやしや ホームページより

原型の木型からすべての工程を丁寧に手作りしていて、張り子に使われる紙は、埼玉県小川町の紙漉き職人・嶋田重夫さんが手漉きした張り子専用の紙を使っており、胡粉(塗料)などの材料にもこだわっています。

林さんとお話する中で、郷土玩具にあまり興味がない人でも、張り子という技法や、温かみのある玩具の良さを
知ってもらう入口になる商品があるといいね、ということをお伝えしました。数週間後、林さんが作って持ってきてくださったのが、小さな犬張子「金粒シリーズ」です。

▼画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します
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一寸の虫にも五分の魂……金粒は一寸ほどの小さな小さな張り子ですが、その作りには、伝統の技術を使った黄金の魂がこめられています。

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ごま犬  1個 630円
寸法:高さ 3.5cm
本当は ” 狛犬 ” になりたかった小さな小さな " ごま犬 " たち。しかし、ごま犬たちはこれからどんどんどんどん成長する可能性を秘めています。あなたもやり遂げたいことがあったり、未知なる可能性を広げたいのなら、このごま犬を家においてください。いつか立派な狛犬になり、あなたの夢も叶うかもしれません。

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つぶ犬(3色あり)  1個 630円
寸法:高さ 4.5cm
粒ぞろいの粒犬たち。いろんな服を着ている、とってもおしゃれな犬たち。いろんな粒たちを探してみてください。

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まめ犬  1個 735円
寸法:高さ 4cm
ずっしり座り込んでひょいと首を上げたまめ犬たち。豆には健康を祈る昔の人達の心が込められています。そして、豆は “こまめになる” というげん担ぎもある縁起物。まめ犬を置いておけば、あなたの行動もこまめになり、良いことが豆のように降りそそぐと言われています。

コロコロとかわいい犬張子を、店頭で気軽にお手に取ってご覧ください。通信販売も承ります。

memo1.jpg◎ご注文、お問い合わせはメール・お電話・FAXでも承ります
>>通信販売の手引き

はりこのはやしや ホームページ
http://www1.ocn.ne.jp/~hayashi/

◎おまけ
子供の玩具として普及していた明治時代の絵には、犬張子が頻繁に登場しています。ご参考までに。
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「東風俗 福づくし」明治23年版

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「女愛子供遊」明治21年版 
『日本のおもちゃ』山田徳兵衛著/芳賀書店/1968年刊より掲載


posted by 店主かねこ at 21:51| Comment(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
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