
定休日明け、店の掃除などしつつふとカウンターから外を見れば、ちらり覗く“いろはもみじ”が紅葉しはじめていた。どうして赤くなるんでしょうねぇ。ふしぎたのしい。
「江戸ッ子は自然なんてそんなに好きじゃねぇんだ、人間の方がよっぽど面白れぇから」と家元が言っていたけど、物心ついた時から海も山も見えないところで育っているから、そういうところもあるとおもう。私の中の自然は、六義園とか、小石川植物園、少し遠出した荒川土手のことであった。
かわいそう、と思う方もいるだろうが、東京の都会が好きだし、ここでなければ住めないとも思う。公園だの、よその庭先だの、街路樹だの、果ては小さな小さな盆栽だの、加工された自然を眺めて、せめて季節を感じようと思うわけです。

加工された池