
雨である。元我堂の店番をしている時から経験しているけれど、雨の日の古本屋というのは、よく言えば本当に静かだ。悪く言えば本当に暇だ。雑貨屋もしかり。
こんな日は本でも読んで、といきたいところだが、やることが山積みなので、ひとつひとつ優先順位をつけながら片付けていく。
そこへ、ドアを開けて来店してくださったありがたいお方。見れば、西秋書店の西秋さんだ。ご家族でいわさきちひろ美術館を見てきた帰りだとか。今年生まれたばかりのお子さんを抱っこさせてもらった。メガネのおばちゃんが珍しいのか、人の顔を見てはニコニコと笑っており可愛いかった。
売上げは見事に撃沈。落語でも、「万度(ばんたび)いいと天狗になっていけねェ」と先代の正蔵師匠が言ったとか。これからも天狗になりようがない日々だと思うが、凹まず慌てず、いきますよ。