2006年11月28日

■夜の学校 夜の散歩

店を早めに閉めて、神保町の東京古書会館へ。「古本・夜の学校」という、ライターの荻原魚雷さん、書肆アクセス店長・畠中理恵子さん、エッセイストの石田千さんのトークライブ。古書会館の8階で行われたのだが、このイベントは“お酒を飲みながら、都心の夜景が見える部屋で”というのが「夜の」学校たる所以らしい。本日のテーマは「神保町のこととか」。

荻原さん、石田さんのお二人は初めてお姿を拝見。荻原さんの「文壇高円寺」は更新されるたび、楽しみに読ませていただいている。著書『借家と古本』(コクテイル文庫)も、旅猫雑貨店で販売中である。(すべてサイン入りですよ!)それで、実際はどんな方なのかとても興味があったので、よい機会となった。

本を語り出すと止まらない魚雷さん、神保町の街の移り変わりを見てきた畠中さん、淡々と自分と古本の関わり方を語る石田さん。それぞれの個性が出ていて、和やかなトークライブだった。

8時過ぎ、古書会館を出て久しぶりに歩くことにした。数年前に御茶ノ水の日大病院に2ヶ月近く兄が入院していたことがあり、毎日見舞いの帰りは御茶ノ水から茗荷谷、時には池袋まで歩いて帰っていた。夜に街を歩くのがいいんですね。都会の散歩は夜です。

途中で、今日が三の酉だったことに気が付く。水道橋から江戸川橋へ裏道を抜け、護国寺前を通って雑司が谷へ。店の近くの大鳥神社へ急ぐ。

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もうほとんど人がいない境内に、3軒ばかり、たこ焼きなどのテキ屋が暇そうにしている。奥に熊手を売るテントがずらりと並んでいて、いつもどの店から買おうか悩む。似ているようでいて、縁起物の細工が1軒1軒違うのだ。

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熊手は、年々大きいものを買っていくのだというので、前回は三千円の、手のひらを広げたぐらいのにしておいたのだった。今年は五千円札を1枚握りしめてきた。ちょうど目の前にいたおじさんに、「五千円のを1つください」と言うと、「もう終わりだから、八千円のあげるから」と行って、前回の手のひらサイズの4倍はありそうな、立派な青竹にこれでもかと飾りがついたのを取ってくれた。おまけに亥の絵馬と、大入袋に入った亥の根付けを2個、つけてくれた。

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その熊手を抱えて店に戻り、帳場の横の壁に吊り下げてみた。豪勢ですなぁ。分不相応。とにかくありがたいことで。熊手のご利益か、翌日は本当に売上げが良かった。
posted by 店主かねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
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