朝10時、集合場所のオヨヨ書林へ。すでに店主のみなさんが集まっており、このイベントの発起人、南陀楼綾繁さんより店番についての説明があった。
オヨヨ書林前での出店は11箱だが、現地に店番に来たのは7人のみで、11時〜6時までちょうど1人が1時間ずつ店番(レジ代わりのお財布管理)をすればよいとのこと。箱はオヨヨ書林入り口前の歩道に沿って横並び一列に設置、私は季楽屋・hitomiさんと森茉莉かい堂・ちわみさんの間になり、いそいそと箱の中に本を並べた。
箱は自宅にある古い和箪笥の引き出しをひっぱり出してきたもの。それに骨董市で買った黒猫の招き猫(店長)、伊勢神宮参道の茶店のお飾り枝を立て、千社札風の店名の札を下げて看板代わりにした。いざ並べてみると気恥ずかしい思いがした。
店長、しっかり営業たのみます
最初の店番はノンフィクション作家の枝川公一さん。11時に開始が告げられた瞬間から、たくさんのお客さんが押し寄せてきてとても一人で店番できる状態ではなく、3人4人がかりでもあたふたしてしまった。特に私のお隣の森茉莉かい堂は大盛況で、ちわみさんの営業トークも炸裂して箱に何人もの手が入り、あれよあれよと売れていく。おお、うらやましいぞ!と思っていたら、私の箱からもいつの間にか本が減っている。
あっという間に1時間が過ぎ、近くに停めてある車に、補充用の本を取りに行く。少し落ち着いてきて、古書桃李の寺田さんに江戸・東京本のことや、古本のクリーニングのことなど、いろいろためになるお話を伺った。同時開催でペンギン写真展をやっていた高野ひろしさんには、ペンギン銀の輔と共に写真を撮っていただいた。高野さんのペンギン写真を初めて拝見したが、町や路地の風景の中にペンギンの銀の輔が佇んでいるシュールさがとても可笑しい。虫眼鏡で見る小さい写真の展示もユニークだった。(ペンギン写真のポストカードを10枚わけていただいたので、旅猫雑貨店と元我堂(かねこ@金曜日)でお買い上げのお客さま先着10名さまにプレゼントさせていただきます。)
千駄木に住む幼なじみや、元我堂のお客さん(阿佐ヶ谷から)、ライターの柳井さん、雑貨アーティストの居ぬさん、みわちん、古本海ねこさんなどがわざわざ来てくださりありがたかった。あと、神保町の西秋書店・西秋さんにもお声をかけていただきうれしかった。先日、わざわざ元我堂にお立ち寄りくださったのだ。(西秋書店さんが参加するアンダーグラウンドブックカフェのパンフレット、元我堂でも配布しておりますので、皆さまよろしくお願いいたします。神保町古書会館にて5月8日〜)
そしてそして、店番中にわが心の師匠、岡崎武志さんが!すかさず用意してきた岡崎さんの著書、『古本生活読本』を手にサインをお願いしたところ、私の似顔絵入りで書いてくださった。初めてお目にかかったのだが、やわらかい関西弁と笑顔があったかい方で、時々古本に向けるスルドイ目はさすが、と思った。あと、靴がとってもおしゃれだった。
11時〜夕方まで、とにかく人が絶えることがなかった
2時〜3時の1時間、お財布係として店番をしている間に、お財布にお金と一緒に入っている11箱分のスリップは、片手で持てないほどの数になっていた。次の店番の方と交代してから、はじめて他のお店を見に行く。
一番近い花影抄は2箱の出店で、どちらも箱はすでにスカスカになっていた。根津神社のつつじ祭の人出も手伝って、どこもよく売れている様子。そのあと遅い昼食をとってからカフェNOMAD、往来堂書店と見て回ったが、久しぶりの立ち仕事と暑さで、すべての店舗を回るのはあきらめる。オヨヨ書林前に戻ると再び自分の箱がスカスカになっており、2回目の補充。ちなみに、今日売れた本は下記の通り。
◎文庫・17冊
「江戸小咄」興津要(講談社文庫)
「昔・東京の町の売り声」安藤鶴夫ラジオエッセイ集(旺文社文庫)
「百年前の東京絵図」山本駿次郎(小学館文庫)
「江戸の坂、東京の坂」横関英一(中公文庫)
「江戸たべもの歳時記」浜田義一郎(中公文庫)
「田端文士村」近藤富枝(中公文庫)
「本郷菊富士ホテル」近藤富枝(中公文庫)
「抱きしめる、東京 町とわたし」森まゆみ(講談社文庫)
「鴎外の坂」森まゆみ(新潮文庫)
「明治東京畸人伝」森まゆみ(新潮文庫)
「江戸切絵図散歩」池波正太郎(新潮文庫)
「荻窪風土記」井伏鱒二(新潮文庫)
「寺島町奇譚(全)」滝田ゆう(ちくま文庫)
「東京の江戸を遊ぶ」なぎら健壱(ちくま文庫)
「おとこくらべ」嵐山光三郎(ちくま文庫)
「東京名物」早川光(新潮文庫)
「小津安二郎東京グルメ案内」貴田庄(朝日文庫)
◎ハードカバー・14冊
「東京の昔」吉田健一(中央公論社)
「宵越しの銭 東京っ子ことば」林えり子(河出書房新社)
「東京のむかし話」東京むかし話の会・編
「本郷」木下順二(講談社)
「下駄の向くまま 新東京百景」滝田ゆう(講談社)
「東京下町職人模様」森田雅子(東京新聞出版局)
「東京の郷土玩具」横山宗一郎(芳賀書店)
「東京小説」椎名誠・林真理子・村松友視他(紀伊国屋書店)
「東京の路地を歩く」笹口幸男(冬青社)
「浅草鳥越あずま床」井上ひさし(新潮社)
「東京気侭地図」神吉拓郎(文藝春秋)
「東京の文學風景を歩く」大島和雄(風濤社)
「聞き書 東京の食事」農文協
「下町の外人さん」ジム・ハッサウェイ(産業編集センター)
以上、合計31冊、売上金額は15800円でした。思った以上に売れて大満足。5時以降は人もまばらになり、6時終了。みなさん軽くなった荷物に喜びつつ、やはり疲れた様子だった。カート付き旅行バッグで来ていた季楽屋・hitomiさんと一緒に車で千駄木の古書ほうろうへ。
7時半〜打ち上げ。南陀楼さんのスピーチで本日の一箱古本市大成功と、店主、スタッフへの慰労のお言葉。そのあと個人賞の表彰があり、最初に早稲田・古書現世の向井さんが選んだセドロー賞として、私のお隣だった森茉莉かい堂のちわみさんが選ばれた。本当に彼女は本選びのセンスも良く、なにより物怖じせずにお客さんと会話しながら次々に本を売っていく姿が素晴らしかった。次に神保町・書肆アクセスの畠中理恵子さんによる書肆アクセス賞に笹文庫(ルシェルシュ前に出店)。畠中さんも驚く、めずらしい本ばかり売っていらしたとのことで、私は見られなくて残念だった。次の岡崎武志賞には、なんと旅猫書房が選ばれましたー!!
ビジュアルで選んでくださったそうで、頭をひねった甲斐がありました。ああ、今でもうれしい。記念品として、岡崎さんの箱の売れ残り(?)の平凡ソングブック(1978年5月号/キャンディーズの表紙)と、タイムスリップグリコ・思い出のマガジン3冊(オリーブ、4年の学習、平凡)をいただきました。ありがとうございました。金子家の家宝として殿堂に飾らせていただきます。
そのあとのことはポーッとしてしまいあまりよく覚えていないのだが、桂牧さんのライブを古書ほうろうの古本に囲まれながら聞いた。最後に岡崎さんと角田光代さんの新刊『古本道場』も購入し、再び岡崎さんにサインをいただいてしまった。ファン丸出し。いえ、でも心の師匠ですから。これからもっともっと古本道を勉強していきたいと思っているのであります。南陀楼さんはじめスタッフの皆さん、ご来店くださったお客さま、本当にありがとうございました。
こちらの箱、ほしい本がいろいろあったのですが、ここより先に「乱歩」前でお金を使いすぎ、買えませんでした。ざんねん。
そして私の箱もご覧いただいたのですね!
お話したかったです。
たぶん江古田ブなどでニアミスしているかと思います。
あそこは密かに東京本(値段高めですが。)が多かったりして、よくチェックしに行くのです。
かなり盛況だったようでよかったですね。
この方式、かなりおもしろそう。
たった一箱に凝縮された古本屋を
何十件も見られるんですから。
盆栽とか、箱庭に共通するかも(笑)
たぶん第2回もあると思いますので、
その時は海ねこさんも一箱店主として参加ですね!
Mongoさんもはっぴで店番いかがですか。
リードつきねこがカメラ目線?
昨夜も実はブログ読んだのですが、
酔って感想を書かないでおこうかと思って。
祝、岡崎武志賞!!!
本当にすごいです。
岡崎さんもお目が高い。
軒先に繋がれていたんですよ。
路地の幅は3メートルほどだと思うのですが、
道の端まで歩いていけてたので、紐も3メートルぐらい
あったのでしょう。
紐つきネコにしては自由度高し、でした。
岡崎さんにいただいた平凡の歌本で、
ピンクレディーを歌いまくっています。
おお、紐ねこでしたか。
モノクロ写真というところが
また良いですな。
あの街、束の間ながら一緒に歩けて
楽しかった。また行ってみたいなあ。
今日も気候がよくて、散歩日和ですね。
写真お気に召してくださりうれしいです。
調子に乗りやすい性格なので、
猫写真カテゴリーを作ってしまいそうです。
>海ねこさん
さすがに振付けはほとんど忘れています。
子どもの頃は細かったのでいつもケイちゃん役でした。
ぜひぜひ、谷根千へまたご一緒しましょう。
ご案内いたします。