2007年05月10日

■ジオラマを眺める

以前から行きたいとおもいながら、なかなか足を運べなかった豊島区立郷土資料館へようやく行った。

池袋の東口と西口を結ぶビックリガードのはずれにある、勤労福祉会館というビルの7階に郷土資料館が入っている。誰かに聞いてこなければわからない施設だ。

エレベーターで7階に上がると、最初に関連資料の冊子や、お土産品を売るコーナーがある。お土産品では、すすきみみずくが描かれたちりめん風呂敷が欲しくなったが、手持ちのお金があまりないので次回に。

展示室に入ると、まず最初に駒込・巣鴨の園芸についての展示。有名な話かと思うが、桜のソメイヨシノ(染井吉野)は、江戸時代に染井村(現在の豊島区巣鴨〜駒込あたり)の植木屋が作り出した品種である。植木屋がたくさんあったが、関東大震災や戦災を受けて、その多くが埼玉県へ移転していった。

展示室中央には、ガラスケースの中に池袋のヤミ市の様子を模型で再現している。ケースの中は朝になったり夕暮れになったりと、数分おきに照明が変化するように工夫されていた。これが実に精巧にできていて、いつまでも見ていたくなった。

※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大します
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▲西口には昭和36年までこのようなヤミ市があったとのこと

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▲アメリカ兵だの、いろんな人がいます

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▲様子のおかしいミッキーマウスの看板

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▲この頃はまだ飲めたのでしょうか

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▲わたしも背負おうかな、「安い!雑貨」

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▲古本屋発見!

ヤミ市の模型の隣りに、もうひとつガラスケースがあり、そちらには「長崎アトリエ村」が再現されていた。アトリエ村とか、池袋モンパルナスというのは本で読んだり、地図をながめたりしてなんとなく想像はしていたのだが、この模型を見てようやくどんなところだったのかが理解できた。うれしい。

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▲模型の家の大きさは、高さ50cmほど

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▲東京の郊外にまだありそうな風景(ないかな…)

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▲アトリエの様子。大きな窓と天窓のある、15畳ほどのアトリエ。居室部分は狭く、多くは3畳から4畳半間だった。

こういう家で悶々と芸術に没頭する若者が、たくさん池袋あたりを闊歩していたんだなぁ。大正から昭和初期というのも、知れば知るほど面白い時代であります。
posted by 店主かねこ at 00:00| Comment(8) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昭和36年ごろまで闇市があったってか?…ショック!生まれてるよ、俺!
Posted by ためごろう at 2007年05月12日 01:43
東口のヤミ市は昭和26年まで、
西口は10年遅れて36年まであった、
と書いてありましたよ。

あっ、あそこにいる赤子は……もしかして
ためごろうさんでは!
Posted by か猫 at 2007年05月12日 02:12
むひょー!あの中に本屋さんがあったんですか!びょぇー!
Posted by 古書往来座 瀬戸 at 2007年05月12日 12:27
こりゃおもしろそう!よくできてますね。
なかなか行く機会のない池袋ですが行って見なければ。
Posted by Mongo at 2007年05月12日 13:24
>瀬戸さん
一番右端の奥の列、ですよ。
看板が「本」なので、一瞬、新刊書店かな、とも思ったんですが、
戦後のヤミ市でこんなにたくさんの本があるの?と
見直したら、横の看板に小さーく「古本買入」の文字が……。

>Monogoさん
入館無料ですので、機会があればぜひ。
他にも小規模ですが、都電の展示や、
昔の暮らしの道具などの展示もありました。
Posted by か猫 at 2007年05月12日 20:48
楽しそうなところですね。春日の文京ふるさと歴史館にも、あんなジオラマがあったような。
Posted by NEGI at 2007年05月14日 10:37
よく見つけたなあ、古本屋。お手柄、お手柄。この古本屋のジオラマのプラモデル、欲しいなあ。本のカバーにも使えそう。ふむ、ふむ。
Posted by 岡崎武志 at 2007年05月14日 15:12
>NEGIさん
あっ、ありますね、文京区にも。
江戸東京博物館のは規模も大きくて、物売りの声なんかまで
流れていましたっけ。
いずれも精巧で、眺めるのも楽しいですけれども、
こういうのを作る側にもなってみたいと思ってしまいます。

>岡崎さん
プラモデル!
豊島区の区長さんは元古書店主の方ですから、
なんとか掛け合ってみれば実現するかもしれません。
……って、無理かなぁ。
お土産として、ヤミ市プラモデルは相当イイですよね。

本が入っている平台といいますか、斜め台、
タビネコで真似してみたいです。
Posted by か猫 at 2007年05月14日 20:13
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