2007年07月25日

■富士山アタック・その5(完結)

未読の方、最初からどうぞ >> その1

fuji07_39.jpg
頂上でご来光を拝み、おにぎりを食べ、噴火口を見て、ハガキを出し、トイレを済ませ、5時45分過ぎ、下山開始。河口湖口は登山道と下山道が分けられており、険しい岩場とはおさらば!4時間ぐらいでサクサクと下っていけるだろうと思っていた。ところが、である。
この下山道がクセ者で、紫外線のきつい直射日光の下、単調なつづら折り(しかも滑る)が下っても下っても延々と続く。思いのほかつらい。

fuji07_40.jpg
登りであれほどあった山小屋も、8合目に1カ所あるだけ。登りの時のような「あの山小屋までがんばろう」という目標がなく、休憩は炎天下。眺めだけはいいんだけど……。

fuji07_41.jpg
海ねこさんの鼻、腕がみるみる日焼けで赤くなっていく。早く下りたい気持ちとは裏腹に、足は溶岩の砂利で滑っておぼつかない。

fuji07_42.jpg
8:42  まもなく2時間近く下っているのに、5合目は遙か下方にあって近づいてこない。全員うんざり。「登りより地獄」という声も上がる。
このあと、私は急激に気分が悪くなってしまう。8合目にあった山小屋で水を買っておけばよかったのに、(もう少し下に行ってから買おう)とやり過ごしてしまったのが運のツキ。足が全く前に出なくなる。数年前の東京国際マラソン、四谷付近から急激に失速した高橋尚子状態。吐き気までしてくる。熱中症のような感じ。しかし自力で降りる以外ないので、あとから来る人々にどんどん追い抜かれながら(小学生にも抜かれた)ノロノロと下る。

3時間ぐらい下ったところになにか建物があり、それだけを生き甲斐にしてようやく辿り着いたら、そこは落雷時の避難所だった。み、みずーっ。水をくれーっ。と、ココロの中で無情の叫び。

さらに数百メートル下にも建物が見え、あそこに行けばさすがに水があるだろう、と気力を振り絞って降りて行く。で、辿りついたら、そこにはトイレしかなかった。水、ない。泣けてきた。情けない。

もう自分だけでは歩けず、同居人の腕と、ステッキに寄りかかるようにして進む。足が動かないので上半身がつんのめって何度も転びそうになる。6合目と5合目の中間ぐらいに安全指導センターがあり、そこで係の方が私物の水筒からコップ2杯の水を飲ませてくださった。細胞に染みわたる水。ありがとうございました。海ねこさん、Mongoさんにもご心配を掛けてしまった。

fuji_map.gif
▲クリックで拡大
11:10頃、結局、5時間半近くかかって五合目着。すぐに水と、ソフトクリームを買って食べ、日陰で頭から水をかぶる。タオルを濡らし、頭、首筋を冷やす。はぁ〜死ぬかと思った。とにかく終わった。日陰で休んで、12時のバスで深大寺・新宿へ。車中は爆睡。

最初の富士登山よりもかなりキツかった2度目。ルートの違いによるものなのか、私の体力が落ちているせいなのか(両方ですね、きっと)、やはり富士山は甘くなかった。次回に向けて(まだ行く気)日夜、森光子並みにスクワットに励みたい。

fuji07_44.jpg
登山中に拾った、ハート型の溶岩。

fuji07_45.jpg
意外と早く、5日後に届いたハガキ。富士山頂郵便局の消印が押されている。
帰宅後翌日から激しい筋肉痛で、見かねた大家さんが、かかりつけの接骨院(雑司が谷の平井先生)から塗り薬をもらってきてくれた。これをつけたら、翌日には劇的に痛みが消えた!すごいぞ、平井先生。ありがとう大家さん。

(おわり)
posted by 店主かねこ at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | □路地裏縁側日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
地面の赤い色が鮮やかに出てますね。
鮮やかすぎて苦しさがよみがえります。
ほんと、無事でよかった。
お疲れ様でした。

それにしても大家さん!
なんでもでてくるなあ。
Posted by Mongo at 2007年07月30日 14:09
その後、どこかから富士山見ましたか?
はるか遠くから頂上を見て、
「わー、あそこにいたんだー!」っていう感動が
またいいんですよ。

大家さんからはこの塗り薬を2本もらいました。
なんでも余分にくださいます。
Posted by か猫 at 2007年07月30日 22:15
思い出が蘇りますねえ。強烈!
Mongoは下山後5合目から仰ぎ見て、
ああ、あそこまで行ったのかと思ったそうです。
「山と渓谷」別冊「富士山ブック2007」の表紙写真を見ると、登山口・下山山がクッキリわかるので、我が家では「ああ、ここを行ったんだねえ」「うへえ!」と嘆息でした。
で、次の予定は? 富士山よりつらいと言われているーー島はいつ行くんですか? 来年でしたら二人、参加希望です(笑)。
Posted by 海ねこ at 2007年07月31日 13:32
帰りの5合目では上を仰ぎ見る余裕もなかったです…とほほ。
一度登ると、「富士山」という言葉にものすごく敏感になりますよね〜。
テレビ、雑誌、街頭でも。
先日新宿に行ったら、高速バス乗り場付近に
明らかに富士山帰り(金剛杖持ってる)の人が数グループいて、
思わず「お疲れさまです!」と声を掛けそうになりました。

ーー島、隙あらば今年でもと思っているのですが、
その場合は先遣隊として偵察、ご報告申し上げます。
Posted by か猫 at 2007年08月01日 15:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック