私も5年くらい前に初体験した腹がよじれるほど笑える衝撃的な高座を聞いて以来、ブラック師匠のファンなのだ。だから行きます行きます福井さん。予約しますのでよろしくお願いします。未体験の方はぜひに。
その後、浅草から有明へ。友人であるTさんが昨年末から入院している病院へお見舞いに行く。友人と言っても20ばかり年上の彼女とは、雑司が谷で店を始めて以来の付き合いなのだが、妙にウマが合って気兼ねなく話せるし、いつも気にかけてくれて精神的にずいぶん支えてもらっている。何事も猪突猛進するTさんが病気でつらい思いをしている姿を見るのが少しこわくもあったのだが、恐る恐る病室のある階でエレベーターを降りたところで、ばったりTさんに会ってしまった。元気そうに歩いているのでびっくり。年末に大手術をして、その翌日はとても辛かったけど、2日目から歩きはじめたとのこと。以降、毎日1階から2階への階段を10往復して足腰を鍛えているのだという。えーっ!すごすぎるよ!とこちらがひっくりかえりそうになった。
ちょうど娘さんのAちゃんも来ていたので、3人一緒に病棟のロビーで夕飯を食べることに。Tさんは病院の食事、私とAちゃんはコンビニで買ってきたお弁当。Tさんは入院中にパジャマを着ないことにしていて(いかにも病人ぽいのが嫌なのだそう)、ゆったりとした素敵なシャツにセーターを羽織っていた。これからまたつらい治療が始まるらしいのだが、それも前向きに捉えている様子。本当にがんばってほしい。
夜7時からお台場で花火が上がるのが病棟から見えるのよ、と言うので、せっかくだから見て行くことにして1時間ほどいろいろな話をした。お台場ビューとでも言うのだろうか、東京タワーやレインボーブリッジが一望できる側にある病室は個室で高いらしい。Tさんは反対側にある4人部屋で、個室よりもいろいろ情報交換できたり、寂しくないのでよかった、と言っていた。7時ちょうどに花火が上がり始めた。1キロぐらい先だろうか、ボンボンという音が遅れてやってくる。花火が見える廊下の突きあたりの窓辺に、同じフロアの患者さんや、お見舞いに来ていた人たちが12、3人ほど集まってきて、静かに小さく見える花火を見ていた。Tさんがうれしそうだったのが何よりだった。
