で、現在。オンボロな当店もトタン屋根なのです。利点は雨が降ってくるとすぐわかるところ。屋根裏から、たん、たん、たんたん!と雨の当たる音がしだすと、あわてて表に出している均一箱やチラシを店内に取り込みます。結構楽しいです。
14日夜、志らく独演会@銀座ブロッサムへ。立川流は談志、志の輔、談春、志らくを中心に都内で行われる独演会、一門会はできるかぎり通っているけれど、去年ぐらいから志らくがものすごく気になり出しているのだ。今年は月1回の「志らくのピン古典落語編」に欠かさず行きたい。
この日、私の席の斜め後ろが大林宣彦監督だった。会場で配布されたチラシを見たら、赤川次郎原作、大林宣彦監督の映画「あした」を立川志らく演出で舞台化するのだそう。BSのドラマにも出演したり、大活躍だ。
演目ははじめに「子別れ」上中下。上は初めて聞いた。やはり八百屋の存在がいい。落語で独自の演出を試みる、志らくの面目躍如だ。
仲入り後、「落語長屋」。談志の落語チャンチャカチャン(古典落語の名場面をつなげた話)を教科書に、ただつながっているだけでなく、志らく流にひとつのテーマをいれこんだもの。よかちょろ→二階ぞめき→湯屋番→米揚げ笊→時そば→突き落とし→付き馬と、若旦那の話がつながっていき、居残り佐平次が誕生するまで。なんと佐平次の誕生秘話だった!サゲのあと、これは順に文楽、志ん生、圓生、馬生、小さん、金馬へのオマージュでもある、と言った。各師匠の得意噺をつなげたのである。編集力と演出力が光った一席。志らくの落語はどんどん進化していく。
パンフレットに志らくが、「……ちなみに私の分析では談志は右脳70%左脳30%。志の輔兄は右脳30%左脳70%。談春兄は右脳50%左脳50%。志らくは右脳90%左脳10%。」と書いている。なんとなくわかるような、わかんないような。「右脳と左脳の両方が異常に発達している談志は、右脳と左脳が喧嘩をしてそれで狂いそうになっているのだ。」とも。その格闘が見えるから面白いのだ。