元我堂にあった『草野心平詩集』をパラパラと読んでみた。すごく気になったのは、詩の一節ごとに読点「、」ではなくすべて句点「。」が打たれていること。これはモーニング娘。に繋がる原点なのか?(なわけないか。)
心平は幼い頃からわんぱく者で、本を食いちぎり(!)鉛筆をかじり、誰かれとなく人に噛みつく“野生児”の激しさをもった、ひどくの癇の強い子供だったという。蛙の詩だけを集めた4冊の詩集を出していることから「蛙の詩人」とも言われる。
その詩、である。中原というのは中原中也のことで、中也が結核で死んだ後に追悼の意を込めてこの詩を書いたそうだが、「地球は冬で寒くて暗い。」この簡潔さ。寂しさを表現するのに思い出をああだこうだと並べるよりも非常に鮮明だ。なんかすごい人だ!と、ちょっと感動。
2人の交流はわずか数年だったにもかかわらず、心平にとって中也は強い印象を残したようだ。心平と中也とで太宰治などと取っ組み合いの喧嘩をしたエピソードも読んだことがあったし、この頃の熱い文学青年たちをできることならどこか柱の陰からこっそり覗いてみたいものである。