
明大の教室から見える景色。右奥には東京ドームが見える
明治大学アカデミィ・コモン講座「古書の世界・6」第4回目。師匠が買った本の実例は、堀内神泉「恐ろしい因果物語」(大正10年)、ワイドショーなどない時代に、嫁姑の話など、女性週刊誌的なハナシがたくさん出てくる。何の役にも立たないくだらなさが面白いという。それから以前sumusでも特集された、古本に挟み込まれていたモノのファイルを見せていただく。本を読みながら、栞代わりに使う切符、チケットの半券、レシート、ハガキ、切手シート、そしてお札が挟まっていることもあるそう。いいなーそれ。古本がタイムカプセルになって、何十年か前の紙切れが現代にやってくるのだ。
今日のゲスト講師は青山にある古書日月堂の佐藤真砂さん。大岡山で始めたお店が南青山に移転する経緯や、渋谷パルコ・ロゴスギャラリーでの「ムラカミ家のモノに見る昭和史」や「印
刷解体」のイベント企画、パリでの買い付けのお話など、興味深いことをたくさんお話くださった。着眼点と企画力が非常に優れた方。爪の垢を煎じて飲ませていただきたい。すれば自分も次々浮かんでは消えるアイデアを、1つぐらいは実行できそうである。
講座終了後、モジモジしている私に岡崎さんの方からお声を掛けてくださり、佐藤さんや他の生徒さん8名で明大の学食へ。学食は誰でも利用できるそうだ。日替わり定食やうどん、そばなど、たくさんのメニューの中から、“肉団子スープ定食”420円を。自己紹介などもしつつ、1つのテーブルに座っておしゃべりをしながら楽しく食べた。
その時となりに座ったKさんという女の子としゃべっていたら、岡崎さんやみなさんに、「2人は友達だったの?」と聞かれる。Kさんとはもちろん初対面で、朝、お互いに中央線の電車の中で見かけていて、その人が教室にいたので「あれ?電車で一緒でしたよね?」と言い合った。なにかご縁があるようで、彼女は私の通っていた学校がある街に、子供の頃から住んでいるとのこと。きっとどこかですれ違っているのだ。さらに先日、アンダーグラウンドブックカフェで行われた黒船レディと銀星楽団のライブも見に行っていたそう。知らず同席していたのであった。不思議なり。メールアドレスを交換する。
岡崎さんからは、「2人でコンビ組んで、コントでもやったらどう?」と言われ、調子に乗って「じゃあ岡崎さん台本書いてください」などと答えてしまう。そんな面白キャラに見えたのでしょうか。恥ずかしがり屋で、とてもそんなキャラじゃないんですってば。まかり間違ってどこかでコントをやる羽目にならないよう祈ります。

昼食後、岡崎さん引率にて南部古書会館、古本の即売展「五反田遊古会」へ。師匠と一緒に古本を見るなんてすごいなぁーと、密かに感動しつつ。相方(?)のKさんは五反田は初めてとのこと。ゆっくりじっくり棚を見ていく。1階で7冊、2階で3冊購入。
『かくし芸のど自慢』創学社刊(昭和40年頃?)
『土鈴 −収集の旅−』山本鉱太郎 保育社カラーブックス(昭和53年)
『封印作品の謎』安藤健二 太田出版(2004年)
『赤瀬川原平の今月のタイトルマッチ』ギャップ出版(2000年)
『本棚が見たい!』文・川本武 ダイヤモンド社(1996年)
『同人雑誌入門』森下節 仙石出版社(昭和46年)
『片乞い紀行』古山高麗雄(昭和50年)
『硝子障子のシルエット 葉篇小説集』島尾敏雄 創樹社(1977年)
『酒、男、また女の話』池田弥三郎 有紀書房(昭和41年)
『夫婦百景』獅子文六 新潮社(昭和33年)
シメに近くのフレッシュネスバーガーでお茶。岡崎師匠が買った本を見せていただく。澁澤龍彦が編集した雑誌『血と薔薇』創刊号が難有りで1050円(状態良ければ5、6000円はするとのこと)、岩波写真文庫『写真』木村伊兵衛・撮影が100円など、一同そんなのどこにあったの、てな感じで、やっぱり眼力が全然違うのである。まだまだ修行の日々は続く。
セドローさん、後生ですから煽らないでください。
って、やらないですから!
って、いりませんから!