落語のCDを借りてみようと思いたち久しぶりに近所の図書館へ行った。CDの棚を覗いてみたら、この図書館ではおそらく借りる人が少ないのだろう、ひと世代(いや二世代?)前の落語家のものばかりが並んでおり、談志や志ん朝のCDはなかった。やたらとあるのはやはり志ん生、小さん、文楽、圓生、金馬、先代三木助など。そういうのを聞くのも面白いのだが、なにぶん実際の高座の姿を知らないので想像がしにくい。
さて、どれを借りようかな、と迷っていたら目に留まったのが「どぉもスイマセン。」の“林家三平”(三瓶じゃないよ)のCDであった。
家でパソコンをいじりながら三平のCDを聞く。一応、古典落語の「源平盛衰記」が演目なのだが、4分の3ぐらいは訳の分からないことを言っている。いきなり「よしこさ〜ん」と歌う。「三平グラフィティ」の中で、三平の真打ちお披露目の口上(古今亭志ん生、先代橘屋圓蔵)の録音も入っていた。32歳の時と晩年の高座が続けて入っているのも面白かった。寄席の客が噺の途中で話しかけたり、赤ん坊が泣いたりする。
「ここからこっち、笑いが少ないようですから、こっち側を重点的におこないます。反対側はお休みクダサイ。」
この面白さはなんなんだろう。間のとり方が天才的。普通にしゃべっている時も笑えてくる。最近、こぶ平も落語を真剣にやってるみたいだけど、うまくやろうとしている堅実な感じがちょっと。三平のテイストはむしろ弟のいっ平の方に受け継がれているように感じている。
同居人はこのCDをMP3に変換して、通勤電車で聞くという。それは止めた方がいいよ、と私は言うのだけれど。笑いたい時にこらえるのはツライからねぇ。
次は志ん生を借りよう。