週に1度の元我堂の店番。金曜日担当になって早くも1年以
上が経ちました。始めた頃はずっと続けられるかどうかあま
り自信がなかったのですが、月日を重ねるごとにその面白さ
は増すばかりです。もともと蒐集癖がある者にとって、古本
というのは実に集め甲斐があり、知れば知るほど集める範囲
が際限なく広がっていく恐ろしい世界です。
そんなこんなで、今日は初めて五反田にある南部古書会館の
即売展へ行ってきました。都内には東京古書会館(神田小川
町)、西部(高円寺)、南部(五反田)、東部、北部の5つ
の古書会館があって、これらは業者が古書の競りを行う市場
です。普段は古書組合に入っていない人間は立ち入ることが
できない場所ですが、主に週末に開かれる即売展のみ、一般
人も古書を購入することができるのです。東京古書会館で行
われる「アンダーグラウンドブックカフェ」や「本のバザー
ル」などもそうでした。南部古書会館は「いい本がとっても
安いらしい」「古書マニアが血眼で本を漁るらしい」などと
いろいろな人からうわさを聞いており、これは一度出掛けて
みなくては、と思っていました。

行ってみると、そこは五反田に住む友人の家の近くで、何度
も通っている道を折れたすぐのところ。今まで全然気付かず
にいて損をしました。まずは様子見、と思ってのんびり午後
から出掛けたので、おそらくいい本は買われてしまったあと
なのでしょう。それでも古書好きと思われるおじさま方が十
数人、1階均一本の本棚の間を目をギラギラさせて歩き回っ
ていました。私も恐る恐る棚を見ていきますが、のんびり見
ていると隣りのおじさんが妙に間合いを詰めてきます。私の
目の前の本が見たいようです。動きが怖いので仕方なく一歩
ずれると、サッとその場所を取られます。そんなことが何度
か続いて、ちょっとこれは負けちゃいけないな、と反省して、
三社祭のお神輿よろしく、自分の場所は譲らないよ、と心に
誓いながら身を固くして見ていきます。うわさ通り、面白そ
うな本が安く手に入りました。ウロウロしているおじさん達
とはずいぶん狙っている本のジャンルが違うようでした。
会館の2階が本会場とのことで、そちらも覗いてみました。
1階で手荷物を預けて入場します。面白いなと思ったのは、
古書だけでなく古道具も販売されていたこと。何に使ったの
か、おか持ちのような古い木箱とか、工具のようなもの、金
属の置物などに値札がついていました。その中に陶器ででき
た、手のひらにすっぽりとおさまる急須型の水滴を見つけて、
(私は水滴も蒐集しているのです)200円なので古本と一
緒に購入しました。骨董市では3000円〜1万円ぐらいす
るのが普通です。買ったのはもっと安手のものだとは思いま
すが。本会場はいい本にはそれなりの値段がついていて、高
いので勉強のために見る感じでした。それでも何冊かどうし
ても欲しい本は買いました。すっかり満足して、その足で元
我堂に向かい、店番。

店を開けてしばらくすると、一人の女性が来店。「あの、覚
えていますか?」と言われてよく見ると、一箱古本市でお隣
だった
hitomiさんでした。この間、読売新聞に箱の写真が掲
載された時にこのブログにコメントをくださり、またお会い
したいな、と思っていたら本当にお会いできて興奮して、
次々話をして長くお引き留めしてしまったかもしれません。
その上、本と雑貨もお買い上げいただきました。感謝いたし
ます。
その後、元月曜店長のケイスケが来たり、常連のお客さまと
古本談義で盛り上がったりして、あっという間に深夜。来店
するお客さまが皆汗をかいていたので、外の縁台に団扇を置
いて自由にお使いください、と黒板に書いておいたら、いつ
のまにか誰かに団扇を持っていかれてしまいまいした。今は
広告付きの団扇を街角で配ったりするので、団扇はタダ、と
思っている人が多いのでしょうね。でも置いておいた団扇は
奈良麻を貼ったいい物で、値札もついていたんですけど。
最後にがっくりな金曜日でした。
こちらは店内で販売中の小紋うちわ。
4種(左より縞、葵、八重梅、菊)各1本1050円です。